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さて、今回は、乗り過ごしてしまったとある駅、での話。
では、どうぞ。
仕事で電車移動をしていた際、普段乗らない路線だったので考え事をしていたら、うっかり乗り過ごしてしまった。
特急が停まったその駅は、当時改修工事中だった。
どうやらバリアフリー化を進めるエレベーターの工事をしているようだ。
地上へ続く階段は長々と続き、途中二カ所の踊り場が設けてある。
そのため、ゆっくりと上がっている人は休憩しもって上がってきていた。
おそらく交通渋滞解消のために、高架になった駅は地上からかなり高い位置にあった。
同じホームの反対側は同じ方面に向かう電車が到着する。
そのため反対向きの電車に乗るには、向かいの反対ホームに行かねばならなかった。
長々と続く階段を降りて反対ホームの階段の方へ回って、ふと前を見上げる。
地上の明かりは、小さな四角になっていた。
筆者は視線を落とし階段を上ろうとしたとき、すぐそばでキャリーバックの取っ手を収め、上を見てため息をついた高齢の女性がいた。
筆者は学生時代、骨折をして松葉杖生活を余儀なくされた時期があった。
その松葉杖をついていたとき、荷物を持って階段のところまで来たときに、この高齢女性と同じように上を見上げて、ため息をついたことがあった。
そのとき、荷物を持っていた手が、ふっと軽くなる。
びっくりして荷物をみると知らない人の手に収まっていた。
そして、その人はにこやかな笑顔で筆者のやや後方を、ゆっくりと上っていく。
上に到着してお礼を言うと、彼は当たり前のように振る舞い足早に去っていった。
筆者はキャリーバックを持ち上げる。
彼女は驚いた表情をしていたが
行きましょうか
と声をかけるとにこやかな笑顔になった。
彼女は
ありがたいね
と言いながらホームへゆっくり上がっていく。
いえいえ
と言いながら、筆者は彼女の斜め後方をゆっくりと上っていく。
彼女は
ここの駅は何でこんなに階段長いんだろうね
と世間話をしながら、そして踊り場で少し休憩しながら、でも少し嬉しそうに上っていく。
そうして、小さな四角が少しずつ大きくなって、眼前は反対側のホームが広がった。
ホームには発車前の特急が停まっていた。
車掌の発車前のアナウンスが流れる。
彼女は慌ただしくキャリーバックを受け取って乗り込む。
プシューっとエアーが抜けてドアが閉まった。
電車がゆっくりと動き出す。
彼女はなんとか体勢をこちらに向き直し、会釈していた。
やはり、にこやかな笑顔だった。
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