ジローの部屋

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教室には、少し間ができた

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ラジオのDJが学校の話をしていた。

学校と聞いて思い出すもの、の話。

筆者は、思いついたのがなぜか、黒板消しだった。



さて、今回は、間ができた教室、の話。

では、どうぞ。






どこの高校にもあるだろうが、筆者の行っていた学校にも「日直」という制度があった。

日直にあたると、

休み時間の黒板消し
当番日の授業準備についての連絡
配布物の配布
授業の初めと終わりの号令

などの仕事がある。



しかし「日直」であることを忘れてしまい、前の授業の板書がそのまま残っているときがまれにある。

体育の授業を挟み、急いでグランドに行き、帰ってきて急いで着替える。

こんな時には黒板消しを忘れていることがたまにあった。




誰だって今から授業を始めようとするのに、黒板に前の授業のことが書いてあれば、気分を害する。


こうして、黒板消しを忘れて授業が始まるときは、大抵が気を悪くした教師の小言を聞いてから、授業に臨まなければならなかった。







その日、例によって体育のあとの授業。




チャイムギリギリまで授業があったせいで、皆たった10分の休み時間に移動と着替えを済ませなければならなかった。






チャイムが鳴り始め、皆慌てて席に戻っていく。


そして、教室の前の扉が開いて、次の授業の担当教師が入ってくる。





皆、前を見、その教師も前を見て

となった。




教師の顔はみるみる不機嫌な表情になっていく。

今日の日直誰や

みたいな小声がひそひそと聞こえる。



教師は不機嫌に持ってきていた教科書を、バンッと乱雑に教卓に置いた。





あーぁ、また始まるよ


ため息をつこうとしたとき、

ガタッ

と音がして1人の男子生徒が立ち上がり、無言で前に歩いて行った。




彼はその教師に目をあわせず、その横を通り過ぎる。

そして、黒板消しを手に持ち、黙々と板書を消しだした。




確か彼は最近日直をしていたはず。

だから、その日、日直じゃなかったはず。






彼は手早く、でも丁寧に板書を消し、自席へ戻ろうとした。





教師は日直を知らないので、彼に小言を向ける。


彼は振り返り、すれ違ったばかりの、自分よりも背の低い教師に向かって、

すみませんでした

と頭を下げ、自席に戻っていった。






教室には、少し間ができた。






そうして、仕事を思い出した日直が

起立

と言って、授業が始まった。

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