ジローの部屋

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【プリッツ編】彼の視点が、教えてくれたもの 後編

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。
こんにちは、ジローです。
いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!
おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。


さて、今回は、前回記事の続きとなります。
surrealsight.hatenablog.com

なお、今回の記事は、プリッツに筆者が論文引用の協力要請をしたところ、快諾をもらい、彼の論文を筆者なりに紐解いて、この記事に引用するため、概略化や構成順序を変更している点があることを予めお伝えいたします。

さらに、スマホへの打ち込みのため、構成が見にくいですが、そこはご容赦下さいませ。

では、どうぞ。






プリッツの研究は、ケガをしたスポーツ選手が、そのショックからどのように立ち直り、その後どのように自分を取り戻すのかという、心理的危機の乗り越え方の経過について、予め設定した分類に振り分けて考察を進めていた。


彼が用いた分類は5種類。

  • 積極的模索型
  • 消極的模索型
  • 危機回避型
  • 未決継続型
  • 平穏型


そして被験者は同じチームの学生だった。
彼は、この被験者からインタヴュー形式で聞き取りを行い、そこから個別の要素を検討して分類を進めていた。


また、彼が行った研究は、調査対象となるサンプル数が少ないため、その結果から一般化することは難しいとの認識を持っていることを、申し添えたい。
さらに、筆者は昨日の記事で対象が7名と記載していたが、正確には8名だったので訂正します。


彼が調査した対象のケガと分類結果については以下の通り。

対象A 積極的模索型 足首骨折
対象B 消極的模索型 足首靱帯損傷
対象C 消極的模索型 膝内即靱帯損傷
対象D 積極的模索型 肩習慣性脱臼
対象E 危機回避型  足首骨折
対象F 平穏型    ヘルニア
対象G 積極的模索型 膝外側半月板損傷
対象H 危機回避型  肩鎖関節脱臼


これだけ並べても、重傷のケガのバーゲンセールのようだが、それぞれの治療期間は約3ヶ月程度から約1年程度とちょっとやそっとのケガではなく、過去にプレーしていた当時はスタメンでの活躍していたという前提がある。
ただし、負傷した時期などの詳細は敢えてここでは省略しようと思う。

そして、この調査では未決継続型の分類に該当する対象者はいなかったとのこと。


では、それぞれが危機(ケガ)についてどのように対応していたかについて、類型別にかいつまんで説明すると

○ 積極的模索型
  基本的に、ケガによって鬱状態等になったものの、その状況から立ち直りケガへの
 対処行動をとっている。
  具体的には
    手術が決まったことで、試合に間に合うと思ってやる気が出てきた
    皆が試合に出て頑張っているのを見て、自分も頑張ろうと思った
    医者から見とおしを言われて、最終戦に間に合うと思った
 など。
  ケガについて、否定的には捉えておらず、自身の成長につながったなど、肯定的に
 捉えていた。

○ 消極的模索型
  ケガへの対応を一応しているものの、
    目指していた最終戦がチームが負けてしまってなくなり、治す意味がなくなっ
   た
    他の部員がやめることになり、自分のケガがそれに比べると小さいものに思え
   た
 といった外的な要因によってケガへの対応の必要性を感じなくなり、その後積極的
 な対応がみられなかった。
  また、
    ケガのことを思い出したくない
 といったケガを否定的にとられている一面が見られた。

○ 危機回避型
  この類型については
    ケガのことを考えないようにする
    練習をサボる
    少しの期間休みをもらう
 という行動にでており、ケガへの顕著な対応は見られない。
  しかし
    1ヶ月協議と離れリフレッシュできた
    逃げるばかりではダメだと思った
 といった内省も見られた。

○ 未決継続型
  対象者なし

○ 平穏型
  この類型では、自身のけがについて特に大きな危機として捉えておらず
    またリハビリしないといけないな
 といったような具合で、淡々とケガについて対応していた。

だった。

 さらにプリッツは、これらの分類化を進めることと並行して、それぞれの対象者から
危機解決に影響を与えた要因についてとりまとめ、それを3つの要素でまとめている。

 ① チームメイト
   要素として一番事例が多かったのはチームメイトの存在
     部を辞めることになっても変わらず付き合ってくれた
     入院中も手紙や現状報告に来てくれ、必要とされていることがわかった
  などにより、影響を受け積極的な行動をとるようになっていた。
   ただ、それらが全て良い方向に向くわけではないが、事例としては多く半数を占
  めていた。
 ② 状況の変化
   おかれた状況が変化することで積極的な対応をしていく事例が確認できた。
   具体的には
     1ヶ月休みをもらって、心身ともにリフレッシュできた
     医者から見とおしを聞いて、間に合うんじゃないかと考えた
  といったもので、対象者本人の行動ではなく、外的要因等により取り巻く状況に変
  化があり、それによって解決方向へ向かっている
 ③ 競技への思い
   上記2点以外には、この要素が確認できている。
     練習ができない期間に試合のビデオを見ていた
     皆がやっている姿を見て、また自分もやりたいと強く思った
  といったものだった。   
 
 つまり、これらの大きなケガ(危機)に対する、プリッツの見解は
     ① 周りの人間関係(支え) 
     ② 環境の変化させる
     ③ またやりたいという気持ち
が、影響を与えるものであり、これらを踏まえてサポートしていく必要があるのではないか、ということだと筆者は解釈していた。



 ここから、プリッツの論文をもとに彼の状況を当てはめてみると
     ① 家族、部員の支えが継続的にあったこと
     ② 地元へ転院し、環境が変化したこと
     ③ またラグビーに関わりたいという気持ちから、プレーヤーでもマネー
      ジャーでもない自分なりの立ち位置を見出したこと
と、これらの要素が補完されていて、筆者はなるほどと思った。

 確かに、これだけをもって、一般化することは難しいし、分類の仕方も多様にあるように思う。
 しかし、これは子どもの問題にも応用ができるように思うし、大人の問題でもアプローチ方法の変更など、使えるネタがあるかもしれない。

 相当量の文字数を、概略化し読者の方への参考となればと置き換えて表現しているものもあるが、彼の論文の主旨と、筆者の論文に対する見解は以上のとおり。



 皆様、ながながとお付き合い下さりありがとうございました🙇

 また、プリッツさん。今回は協力ありがとうございました。解釈が違うところがあれば、すみません。
 この内容を学生時代に書き上げたあなたを、尊敬しています。

        


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