ジローの部屋

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日頃の生活に、何かプラスになることを。

続々々 消せない、烙印

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。
こんにちは、ジローです。
いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!
おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。


さて、久しぶりに続きものの続編を。
以前に書いていた「消せない、烙印」編。
筆者の職場の同僚のお話。
surrealsight.hatenablog.com
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前回までのざくっとしたあらすじ
筆者の同僚で、ダメ社員の烙印を押された人。
筆者らが机を並べる隣の島の元上司はいかにダメな奴かということを説明してくるが、これまでの仕事で筆者はその人ダメ社員のようには思えなかった。
そうして迎えた、11月。
ある営業所がトラブって炎上し、本社から火消し役として筆者らの係が指名される。当初1番手を筆頭に解決を図ろうとするが1番手は周りの調整をせずにどんどん進めていき、それによって逆に処理速度が落ちてしまっていた。
筆者らの通常業務もある中、現場は付け焼き刃的な対応は求めていない。そこで上司は両方やると言い出した。かなり無茶な仕事量だ。しかし、本社が失敗するわけにはいかず、やるしかない状況だった。

では、どうぞ。





チームのポジションを変更する。
立場上、筆者は取り仕切りと作戦立案担当。
その人は前線の中心に据えて、交渉担当。

一番手には申し訳ないが、進めば進むほど軌道修正は厳しくなる。
そして、今回のトラブルとなった件は法律も絡んでくるやっかいな案件。

そこで必要なことは、現場ではどっしりと構えて交渉することで、後は営業所の人の差し繰りと必要なものの調達、関係先との数々の調整だった。

営業所も本社の意向を一応は聞くものの、本社が責任を持たないであろうと高をくくっているので、こちらの様子を見続けている。


だから、最後までやる意思を見せなければならない。
現場の意向も聞きながら調整を続けていかなければならない。
そして、本社が入る以上は失敗は許されない。


これだけなら、これでいい。
しかし筆者らは通常業務として、研修などの予定も元々組んでいた。
会場の押さえ、研修のアウトラインはできているが、資料はまだ作成途中だ。
これらの作業は営業所の作業を終えてから、あるいは移動時間や隙間時間で作業する必要があった。
定時からが本来業務。
本社は休みを潰せば代休を取るように言ってくる。
効率と重点を度外視すれば、転覆するのは必須だ。



現場は筆者らが常駐することがわかり、回転が変わりだした。
営業所の責任者と連絡を密にして、本社の意向も反映させていきながら、チーム全体の動きを回していく。
交渉のための必要な調査をチームで手分けしてとりかかり、一番手も四番手もそれぞれの役割をこなしている。そして、資料の分析を進めて、必要な報告書を作成していく。


筆者はその人の発案で、想定できる問答を取り上げて、調査に漏れがないか確認していった。その人は過去の経験を活かし、様々な提案をしてくれた。それは筆者も想定していなかったことだったり、細かい大事な注意点だったり。

後々に振り返ると、この時の準備がしっかりできていなければ、かなり難しい結果になっていたのかも知れない。


その人の発案は、涌き上がってきていた。
しんどい仕事も中にはあったが、率先して自らも当たっている。
何より、デスクで仕事をしているときよりも活き活きとしている。
とは言うものの、それでいて驕ることはない。筆者の立場を立てながら、作業を進めている。


研修の準備も佳境を迎えていた。
なんとかギリギリのやりたかったラインでの研修ができそうだった。本社の別部署からの応援も入り、受講者に手応えを感じさせることができそうな雰囲気が出てきた。
せっかく受けてくれるのだ。
現場のためによりよいものとして、困ったときの本社への連絡ラインを作ってもらいたい。



一度止まりかけて烏合の衆に化しそうだった船団は編隊を組み直して最大戦速を高めていった。

そして、営業所のチームは予想以上の速度で交渉のための必要なデータをそろえ、もっていきたい方向への布石を整えていく。

現場での方針は適宜本社に上げていき、余計な横槍も必要なく、必要な準備が整っていることを本社側に理解してもらった。

そうして、機は、熟した。











満を持して、交渉が始まった。
予想されたとおり、物凄いクレームの嵐から始まる。
しかし、その人は動じることなく、交渉相手の話の争点を確認していく。
何日かの時間を使って。
焦らずに、じっくりと。


その人は、クレーマーだった交渉先と数回の交渉を経て、普通に話ができるような関係を築き上げていた。

もちろんこれは、その人と1回ずつの交渉内容を振り返り、現場が集めてまとめてくれた事前の準備も踏まえつつ細かく方針を修正していったことも影響はしているだろう。

しかし、事前に準備をしているとは言え、誰がやっても同じ結果が得られるかというとそうではないと思う。



そして、とうとう交渉先はクレームを取り下げるに至った。
後は、準備していた対応方法で進めていければ。






                                              
これがその人の本来の姿なのかも知れない。


ダメ社員だなんて、とんでもない。
柔軟な、現場対応能力じゃないか。



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ブクマコメントありがとうございます!
>みみこびと(id:mimikobito)さん
過去の経験の話はいろいろと聞いてました。だからあえて自分でやるのではなく、その人を出して自分は裏方の調整役に。結果的ポジションチェンジが功を奏した感じですね。
烙印は焼き付いてます。これ、ほんとなかなか消えない😥

>まっこおばさま(id:makkosan70)
その人のことを私もそういう色眼鏡で見ていたら、きっとこの時の難局は乗り切れなかったと思います。自分から見たら大先輩なんですけど、頼りになる同僚です。

>テイルズ(id:MyStory)さん
今回はギュッとアクセルを踏み込んだ、そんな展開でした。後1話書いてこのお話は小休止させようと思います。この時は係員全員がオーバーワーク。かなりキツかったですけど、その人のおかげで乗り切れました!

>Pちゃん(id:hukunekox)さん
そうなんです、配置と上司の組み合わせの問題です。そして、上の人のさじ加減1つで能力を活かすことも殺すこともできるなって改めて思いました!

>ユウヨ(id:byte0304)部長
ピリピリの緊張感、伝わりましたか?ありがとうございます!
この時はいろんなことが重なってパンパンでした。一番能力の高いところで最大限やる。このポジショニングじゃないと無理でした💦

>山田さん(id:kirakirapark)
それまでの烙印はそれはもうひどいものでした。だからこそのこの開きになるのかも知れないのですけど。残り1話でこのお話は一旦終わりになります。皆さんのご期待に添えるかどうかですけれども😅