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さて、今回は、努力の前に立ちはだかる壁の話。
なお、今日も学生時代の相方のプリッツが登場します。
今回は少し、記事が長めです。
ラグビー用語も出てきますが、ご容赦を。
参考までに昨日記事。
surrealsight.hatenablog.com
その年の新入生で、ラグビー部に入部したのは7人だった。
経験者は2人。
後の5人は筆者を含めて初心者だった。
単科大学で一学年が200人程度でしかも男は3割ちょっとしかいない大学の部としては、7人は豊作だ。
試合をする上で、ラグビーは15人必要だ。
だから、毎年の勧誘は気合いが入っている。
そこで出会ったのが、後にコンビを組むプリッツだった。
彼は1浪していたが、年齢を感じさせずフランクな話し方をしていたため、割とすぐに打ち解けた。
2人とも線が細く、軽いウエイトから筋トレをやっていたのも、共通点だった。
夏合宿までに、何試合か試合が組まれ、同級生達がスタメンで試合に出だした。
筆者はサッカーをやっていたのでキックができ、夏合宿でスタメンが巡ってきた。
しかし、プリッツにはスタメンが巡ってこない。
なかなか試合に出られなかったプリッツは
ショート
という1つのプレーにこだわっていた。
彼は線の細さと、元々は長距離系の選手だったことから瞬発が強くはなく、でもそれをタイミングとポジショニングでカバーして突破を図る練習をしていた。
周りの同級生が次々と試合でトライをとって行くが、彼にはなかなかスタートからの出番がこない。
そうして、彼はノートライのまま、スタメンも回ってくることなく、1年がたった。
二回生になり、有望な一回生が入ってきた。
その年も6人の部員を獲得し、選手層が厚くなる。
プリッツにとっては、また難しくなった。
練習試合が組まれるが、運動能力の高い新人がプリッツのポジションに抜擢される。
彼は、試合に出たい。
ただ、チーム内での突出した武器がまだなかった。
努力だけでは、何ともならない壁が立ちはだかる。
プリッツは全体練習が終わっても、ショートというプレーのタイミングの取り方を練習していた。
筆者は、プレースキックという、ボールを置いてキックし、ゴールを狙う練習を、残ってやっていた。
何のために、わざわざ大学で部活をやるのか。
何のためにしんどい思いをしてまで練習するのか。
そんなことを話ながら、飲むこともあった。
そして、二回目の夏合宿がきた。
プリッツには二回目の合宿で、ようやくスタメンの試合がきた。
チームが相手陣内に攻め込んでラックをつくる。
ゴール前で密集からハーフがボールをピックアップしてパスが1本とおり、その横を駆け抜けてきたものにパスをつなぐ。
絶妙なタイミングで走り込んできたプレーヤーは、トップスピードになっていた。
これぞ、ショートというプレー。
彼は勢いよく切り込み、ラインを越える前に相手のディフェンスから渾身のタックルを受けた
彼は、そのタックルを受けながらもなんとか前に進み、倒れ込んだ。
ピピーッ、とトライを認定するレフェリーのホイッスルがなった。
彼は他のプレーヤーに引き起こされる。そして、がっちりと抱きしめられた。
プリッツの人生、初トライだった。
トライを取った者が誰かわかると、チームメイトが両手を突き上げて叫ぶ。
相手チームがびっくりするくらい、大会で優勝でもしたのかというくらい、大歓喜する。
ベンチの人間もマネージャーもかけていってプリッツをもみくちゃにする。
自分のプレーでもないのに、涙を流している先輩もいた。
もみくちゃにされたプリッツから、トライしたボールを筆者は受け取った。
ボールを受け取る際に、ナイストライと声をかけ、固く、短く握手する。
そして、1人でプレースキックの作業を始めた。
試合後、外出したときに2人で祝杯を挙げた。
ただ、プリッツのトライはこれが最後だった。
いろいろな人のブログがあるので、こちらもどうぞ。
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