ジローの部屋

ジローの部屋

日頃の生活に、何かプラスになることを。

常識と非常識は、紙一重

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。

こんにちは、ジローです。

たくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!

おかげさまで、ぼちぼちとこのブログを続けられています。

ここのところ更新が途切れがちになりつつありますが、なんとか続けて参ります。

さて、今回は、久しぶりに仕事の話になります。

ては、どうぞ。









筆者がまだ駆け出しの頃、職場にあるお客さん、がきた。
そのお客さんは60代半ばくらいの女性だった。



お客さんはいろんな方がいらっしゃるが、時々支離滅裂なことを話していたり、ちょっと病まれている方もお見えになる。

当時の職場の先輩方は、そういったお客さんを、言い方はよくないが、ほどよくあしらっていた。



来られたお客さんは、先輩が言うにはちょっと病まれている部類に入る方のようだった。

困っていることについての相談だったが、誰も真剣には聞いていない。
何かモノがなくなったみたいだ。


筆者は彼女の話を聞き、メモをとる。



他の人は奥で、筆書らの話に聞き耳をたてている。
そして、時々笑い声が聞こえた。


筆者はそれが、違和感をおぼえるもの、だった。


お客さんは真剣に話しているように見えるが、先輩方には、そのお客さんが言うてることがおかしいようだ。


お客さんは煮え切らない感じで、帰って行った。

筆書は先輩方にさっきの話を報告し、一度その人の家に行ってみたいと言うが、笑って却下された。


筆者は表に戻り、さっきの話をまとめてみる。
これで終わっていいようには、やっぱり思わない。


どうしようかと考えていると、一人の先輩がやってきた。
この人は、先輩方の中でも、ちょっと変わってる、って言われてる人。

その先輩は、筆者の名前を呼んで

いくぞ

と言って、出かけていった。

筆者は慌ててついて行く。




どこに行くんだろうと思ってついてはいったものの、その先輩は話をしない。


そうしてついたところは、さっきのお客さんの家だった。

チャイムを鳴らし、どうも、といって中に入る。
家の中から、さっき来た表情のままの彼女が出迎えた。


そして彼女の話をもう一度聞いて、家の中を探すことになった。



一時間以上探して、最終的に彼女の取り越し苦労ということがわかった。

独りで暮らす彼女には、なかなかそんなことを相談できる人もいないらしい。


しかし、問題が解決して、彼女の表情はだいぶ緩んだものになった。



彼女の家を後にして、筆者は変わり者の先輩に、なんで彼女の家に行ってくれたのか、聞いてみた。


先輩は、答える。

俺たちは十年以上この業界で飯を食っている。
そうすると、柔らかい考え方ってのがだんだん出来なくなる。
俺たちの当たり前は正しいのか。
そうじゃないこともあるだろう。

お前はつい最近まで、この業界の人間じゃなかった。
ということは、お前の感覚は世間の感覚に近いモノがある。

皆あのお客さんのことを変に言っていて、お前だけが不思議な顔をしていた。

だから、俺はそこに染まるのは危ないと思った。

結果は確かに取り越し苦労だったのかもしれない。

でも、あの安堵した表情をみたか。

本来の仕事ってそういうもんなんじゃあないのか。







あれから、20年近くになる。

新人は何人もやってきた。

筆者は新人の感覚を大切にする。


常識と非常識、それは本当に紙一重だから。



お問い合わせはこちら
surrealsight.hatenablog.com

いろいろな人のブログがあるので、こちらもどうぞ。
ブログアンテナ