ジローの部屋

ジローの部屋

日頃の生活に、何かプラスになることを。

節目に贈る、ワンシーン

以前にもご紹介した青い眼鏡 (id:m6points)さんの点訳記事。
筆者の短編が点字となって進化しつつあります。
m6points.hatenablog.jp
m6points.hatenablog.jp
しかも、それぞれの章に出てくる人物に合わせた選曲があり、それらの歌詞もまた響いてきております✨

筆者はというと、毎日があっという間に過ぎてしまっており、最近は土日も仕事に。
「忙しい」と言わないようにするために、「暇で、暇で」と言うようにしたと同じ係の同僚に話すと
お前、大丈夫か(゜Д゜;)
と言われる始末。


さて、今回は、そんなこんなで月末を感じた10秒ほどの一コマの話を少し。


では、どうぞ。











かつて派遣で別業種に就いていた頃、そこの部署にはよくお世話になっていた。その部署は大学生のアルバイトでほぼ構成されていそうな、発送を担当する部署。

当時、大量の郵便物を梱包し送る仕事があって、よくかごいっぱいの郵便物を代車に載せて持っていっていた。
あまりにも大量にあるので、そこで少し仕分けも手伝って、持っていくのに都合のいい時間などを確認しながら、上手くコミュニケーションをとっていた。

数年ぶりに用事があってかつての社屋に入り、そこの部署の前にさしかかった。
広めの廊下に大きめの開きドアが、その部署の出入り口として付いてあり、両側とも部屋の中へと開放した作業室のような場所。

時刻は16時をまわったところ。
記憶が確かなら、彼らの勤務時間は終了する時間帯だ。

そこから懐かしい作業着を来たアルバイトらしき人物が、ちょうど中にいる一人に

「来週は休むんやな、おつかれさん」

と声をかけながら、その部屋から廊下へ出ていこうとした。
部屋の中から
「おつかれさまでした」
と声が返ってきている。

部屋から出てきた彼はこちらの方へ向かって2、3歩歩き出した後、何を思い立ったのか立ち止まり、きびすを返した。そして、開きっぱなしの出入り口に戻り、部屋の中を向いて

「いい卒業式を」

そう言って、またこちらに向かって歩きだし、すれ違っていった。

10秒ほどのワンシーン。

人生の節目にさしかかった彼らに、幸あらんことを。



ご訪問ありがとうございました。
またのお立ち寄りを、お待ちしております🙇



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ブクマコメントありがとうございます!
>norikoさん (id:non704)
そうですね、学生はバイトしながら社会をのぞき込んで、なんで働くかってことを考えて。そして、桜の季節がやってきます✨

>相続コンサルタントさん (id:egaosouzoku)
ありがとうございます!自分の見えた世界が文章を通してまた誰かの脳裏に浮かんでくる。これは書き手として、この上ない喜びです✨

>Pちゃんさん(id:hukunekox)
とても想像できる、いやぁ、嬉しいです😆
自分にはもうない感覚、あの時はどうだったっけなって思う感覚。こんなオーバーラップもあって、眩しさがありますねぇ。

>まっこおばさま(id:makkosan70)
幸あれ✨書いてから、けっこういいなと思いました。すれ違った彼の思いもきっとそうなんじゃないかなって思います。

>テイルズさん(id:MyStory)
おかえりなさいませ🙇もう、暇で暇で。
テイルズさんも忙殺されてそうですね✨
希望、いいですねぇ、希望。先日亡き安部元総理の米議会での演説を知りまして、そこにも希望がたくさん出てきていました。彼の問題は言及するつもりもないですが、このスピーチは胸を打つものでした。希望っていい言葉ですね✨

>りょうさん(id:ryousankunchan)
一度ぶっ壊れてしまったことがあるので、ぼちぼちといきたいと思います。たくさん、降ってきますけど、1つずつ終わらせて。
時々息継ぎ的に、ワンシーンをキリトリして、近況報告したいです。