ジローの部屋

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【ツインタワー編②】伊達に、デカいだけじゃない

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こんにちは、ジローです。

たくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!

おかげさまで、ぼちぼちとこのブログを続けられています。



昨日は、筆者が唯一見上げていた友人の話を記事にしていました。
その記事はこちら↓
surrealsight.hatenablog.com

さて、今回もツインタワー編です。

では、どうぞ。



教育系の大学には、基本的に教師を目指した人間が集まってくる。
とりあえず大学に行こうと思った、という人間は少なく、漠然か詳細までかは別として、教職に就きたいと思って、門を叩く。

推薦、前期、後期の試験を経て、うちの大学には新入生が入ってくる。
一学年たったの200人程度の、学部も1つしかない小さな大学。
故に、あまりはっちゃけた人間はいない。

筆者は推薦は落ちて、前期で受かって入学した。
ツインタワーの一角をなす193(イッキュウサン、以後彼のことはこう呼ぼうと思う、なお彼の名誉のために坊主ではないことを申し添える)は推薦で入ってきた口だった。

推薦で入学してくる人は評定平均(いわゆる高校の成績)がすこぶるいい。
部活での活躍や成績が抜群にいいとか。
193はその両方をなしていた。

推薦入試は書類選考と面接。
入学したての頃、共通の話題がまだない中で、入試の話になって、面接で何を聞かれたか、という話になった。

筆者は、趣味や特技を聞かれ、読書やサッカーの話などありきたりのことを答えたような気がする。もし今の自分が試験官だったら、平均的すぎて点数のつけようがなかったんではないだろうか。

193も同じく特技のことを聞かれたらしい。
彼は、自分の運転免許の話をしたといって、当時のやりとりを再現しだした。



私、原付と小特免許を持っていまして運転が好きなんです。
原付はわかるけど、なんで小特なんてもってるの?

実は実家が農家でして、ユンボ運転したりするのにいいかなぁと思って試験受けたんですよ。家の畑で練習しまくってましたからね。大学落ちたら、畑でもやるかーみたいに思ってまして。
(注:ユンボは小型のパワーショベルの通称)

へぇ、ご実家が農家ですか。
うち、牛もこうてまして、品評会にも出しちょります。それが広島で1番とりまして…。

へぇ、それはすごいねぇ。
そうなんです、うちのじいちゃんがすごいんですよ。ところで先生方は、ユンボのこん
な堀り方知ってますか?私それが得意なんですよ!

え、なになにそれ。
ユンボをですね、こうやって…



「ジロー、面接こんなんやったわ。じいちゃんと牛とユンボの話しよったら、合格しとったわ!じゃけぇ、ここの試験官ええ人やったで。」
とケラケラ笑いながら教えてくれた。

こ、こいつ、やるなぁ。
筆者もその話に興味を持ってしまった。
やはり、こういう話術というか、人を惹きつける何かをもってるような人が教師をめざすんやなぁ、と妙に納得してしまった。

だから、広島弁でよくしゃべる眩しい奴、というのが筆者の初めの頃の193の印象。
伊達にデカいだけじゃない。


運転に関して言えば193は、アパートからホンダのカブにまたがってやってきていた。
あるとき、
「ジローこの辺で、ええ峠ないかのう」
と聞かれた。彼はカブで峠を攻めたいらしい。
筆者はよく知らないので、
「山と言えば兵庫だったら六甲山かな」
と教えると
「よっしゃ、今日授業終わったら行ってくるわ」
と威勢がいい。
筆者は、けっこう遠いはずやけどな、と思っていた。



翌日、193は珍しく遅刻してきた。
非常に眠たそうにしている。
どうしたんだ、と話を聞くと
「いやぁ、昨日ジローに教えてもろうて六甲山行ってきてな。面白かったわ、カブ坂道全然のぼらんでな」
と疲れた顔で少し笑っている。
「そしたら、とちゅうエラいくろう(暗く)なってきて、しまったなぁと思ってたんよ。
そいで、山を降りていったんじゃが、わけわからん街に降りてしもうて」
「おばちゃんに道聞いたら、あんた帰りたい方向反対やで、アンタ大阪向いてるで、って言われてな」
「それから、大変よ。看板見て帰ってきよったんやけど、金あんまり持ってなかったし。朝五時ぐらいにやっとかえってきたんよ、エラかったわ~」


アナログの時計の中心が六甲山だとすれば、193はだいたい9時から11字くらいの距離を走って帰ってくればよかった。
それがどうも話を聞くと9時から逆回りをして11時の自宅に帰ってきたようなものだった。大したお金も持たずに。


193は、眠たそうだ。さすがに疲れが見える。
しかし、話の最後にはしっかり笑って終わらせていた。


世の中にはいろんな人間がいる。
筆者はもう少しちゃんと説明をしてやればよかったと、反省した。


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