ジローの部屋

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【アオハル編⑦】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。
こんにちは、ジローです。
いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!
おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。


ここのところ続いております、アオハル編。
surrealsight.hatenablog.com
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これはブロ友りょうさん (id:ryousankunchan)のアオハルに触発されて始まりました。
yukiichihimenitaro.shop
筆者のリクエストはBUMP OF CHICKENの「K」という曲。これがすでにもう公開されています。
yukiichihimenitaro.shop
それがこちら。
youtu.be
りょうさんのピアノでの曲まで、時間がかかってますが、せっかくの機会なのでもうアップしました。このピアノの旋律を背景に本編を走って行きたいと思います。
ですので、皆様ポチッと再生をよろしくお願いします🙇


さて、これまでの登場人物はこちら。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
淳美…吹奏楽部 香織と仲がいい、面倒見がいい、琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい、幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる


今回はエピソード7。
では、どうぞ。





7 美咲の事情

 自分の部屋の机の上に、美咲は手帳を広げた。
 中にはびっしりとプリクラが貼られたページがつづき、見開きで一週間の横書きのダイアリーが現れる。
 そして美咲はこれまでの自分が書いてきた日記をパラパラと見た。
 学校での出来事などを記したカラフルな自分の字。その時々の感情が色となり、それが所狭しと埋まっている。
 ペンの色を選び、美咲は思い出してため息をついた。そして、今日の欄に普段と違う大きな文字をアルファベットで4文字だけ書き入れる。

 美咲は少し思い出した。そして、手帳を両手で勢いよく閉じた。
 閉じたはずなのに、なぜだかその文字が見えてくる。



 BLUE

 青ペンで書いた、この4文字。
 美咲は、その4文字を手帳と一緒に鞄の奥へとしまった。







 1年の時から同じクラスだったのは、親友の詩穂と親が知り合いの優太と、優太の友人の幸次郎ら数人だった。優太は時々話をしてくるが幸次郎が話しかけてくることはない。でも、優太がいろいろと話しかけてくれ、時々幸次郎と話すことができた。

 クラスの女子は何組の誰々が格好いいとか、ウチのクラスなら一番格好いいのは公也かなとか、そういう話が聞こえてくる。
 なんだか、淳美や絵美らの話の勢いは早くてすごいなと思うけど、その雰囲気はとても楽しい。仲のいい詩穂と
「淳美ちゃん達ってすごいね」
と笑いながらよく話していた。
 クラスはいくつかのグループに分かれてるのが普通だけど、ウチらのクラスはそういう垣根がなくて、本当によかったって思う。


 この前詩穂からびっくりする話をされた。
 公也から告白されたって。
 
「えー」ってなって、それでという話を聞いたら
「私信介君が好きだから。好きな人がいるからって言ったよ」
と詩穂は恥ずかしそうにそう言った。美咲はそれにまた驚いた。

 信介は陸上部。1年の時は別のクラスだった。
 普段は公也や勝矢とよく一緒にいる。
 部活が終わり、校舎からグランドを見渡すと、信介が1人黙々と練習していた。
 そう言えば詩穂はあの時グランドの方を見つめてたっけ。


 最近になって淳美らは何か作戦のような話をしている。その話を絵美に聞くとブラバン部の後輩の子が幸次郎に近づきたいって。
 それを聞いて思いを伝えようとする姿勢が眩しくて、でもなんだか複雑な気分になってしまった。
 詩穂は、たぶん気付いてる。だから、うちらの間で普段淳美らの話も話題に上るのに、この後輩の子の話はほとんど上がってこない。

 淳美や香織らの話はキャーキャー言いながら盛り上がっていた。
 その時、
「うそー!?」
と言う声が聞こえてきた。
 絵美が、幸次郎と一緒に帰ったって。
 確かあの2人は同じ中学だったな。
 仲、いいんだ。


 淳美の後輩の子の話は、連日続いている。
 とうとう世話を焼いている淳美から
「美咲ちゃんらも協力してよ」
って頼まれた。
「そうだね、詩穂」
と笑って答えた。詩穂も咄嗟に笑顔で返していた。
「よーし」
と腕をまくるそぶりを見せた淳美が香織らの元へ戻っていく。向こうで絵美が、昨日も帰りが一緒だったという話をしていた。


 部活が終わって帰るときに、香織と会った。香織は詩穂に今日の作戦がうまくいかなかったことを伝えてきて
「ねぇ、なんかひどくない?」
と言っていた。詩穂は
「そうなん」
と話を合わせている。香織が先に帰ってから詩穂が
「残念、だったんだね」
と言ってきた。そうは言うものの詩穂は残念そうな表情を見せていなかった。


 次の日の朝、いつもの時間に学校に着いて、自転車置き場に自転車を駐めた。荷台にくくりつけた鞄を解き肩にかけようとしたとき、向こうで自転車が駐まる音がした。
 ふと振り返ると、幸次郎がサイドスタンドを立てて、荷紐をとこうとしていた。
 美咲は目が合う前に振り返りは下駄箱に向かって歩き出した。どう見ても、周りには誰もいない。


 声をかけられるかな。
 歩くのが早くて抜かされるかな。
 その時に挨拶してみようか。
 

 下駄箱で上靴に履き替える。
 でも、距離が縮まることはない。
 もしかしたら、という思いがよぎる。


 教室が近づいてきた。
 やっぱり、そうなんや。うん、絶対そう。


 モヤモヤとした思いは、教室に到着してしまって確信になった。

 私、嫌われてるんや。


8へ続く。


優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
淳美…吹奏楽部 香織と仲がいい、面倒見がいい、琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい、幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる




ブクマコメントありがとうございます!
>みみこびと(id:mimikobito)さん
りょうさんのリメイクすごいです!こんなにしてもらっていいんでしょうか😅ずいぶんと練習してもらってると思うんです。2回も記事にあげていただいて感無量ですっ✨

>まっこおばさま(id:makkosan70)
だいぶ刷り込みが完了してきましたでしょうか。りょうさんのピアノの旋律をいただき、珠玉の輝きを放つかのようです。

>テイルズ(id:MyStory)さん
BLUEに込められた思いは推し量れないです。儚くも切ないこういう思いを、なぜこの頃にするんでしょうね。大人ではなかなか感じられないもの。だからかも知れません、何かを思い出しながら追ってしまうのは。

>ユウヨ(id:byte0304)部長
共感ありがとうございます!ちょっとした向きを変えるだけでずいぶんと違った話になりそうなのになんなんでしょうね。応援団ありがとうございます。





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