ジローの部屋

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【アオハル編⑥】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。
こんにちは、ジローです。
いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!
おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。


ブロ友のりょうさん (id:ryousankunchan)の企画により始まった、アオハル編。
surrealsight.hatenablog.com
surrealsight.hatenablog.com
surrealsight.hatenablog.com
りょうさん (id:ryousankunchan)の企画記事はこちら
yukiichihimenitaro.shop
筆者のリクエストはBUMP OF CHICKENの「K」という曲。一度記事が公開されたのですが、再度引き直して撮り直してくれました!
yukiichihimenitaro.shop
その曲がこちら。
youtu.be
なんだかとても贅沢です✨
りょうさんのピアノでの曲のエピソードまで、時間がかかってますが、このピアノの旋律を背景に本編を走って行きたいと思います。
ですので、皆様ポチッと再生をよろしくお願いします🙇

これまでの登場人物は

優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
淳美…吹奏楽部 香織と仲がいい、面倒見がいい、琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい、幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる

でした。
 では、今回はエピソード6を、どうぞ。








6 幸次郎の事情


 目の前に、知らない後輩がいた。
 両手にクッキーの缶を持って、こちらに差し出している。さっき、淳美に呼ばれてなんとなくついていった。
 するとこの光景だ。この人は誰で、なんで俺なんだ。
 彼女は
「これ、食べて下さい」
と言ってきた。圧倒されて、1つつまんで
「ありがと」
と答えた。ただ、なんか悪いな、って思って。
 すると彼女はみるみる表情を変えて、後ろを向いて走って行った。
 渡り廊下は、風が吹いていた。


 幸次郎は、いわゆる高校デビューだった。中学からサッカーを始めたが、最後までスタメンは掴めず、必然的にクラスでも目立つ存在とは程遠かった。
 高校になると、たまたま中学の時の知り合いがほぼいなくなった。だからといって、デビューしたいなんて微塵にも考えていない。デビューというよりは、リセット。そのままサッカー部に入った。
 同じクラスで部活も同じになった、優太という親友ができた。あいつとは性格も違うのに妙に馬が合った。

 高校2年になり、彼氏彼女の話がよく出てくるようになる。ただ、自分は優太のように軽く女子に話が出来ない。だから、あいつがいろいろと話をする様子を見て、羨ましく思っていた。


 1年の時に同じクラスの女子から夜に電話がかかってきて告白されたが、家の電話が黒電話だったのと、リビングにあったせいで、家族に会話の内容が聞こえないように小声でなんとか断るのが精一杯だったことがあった。
 この話を優太にすると、
「お前は誰が好きなんだ?」
となった。当時気になっていたのは同じクラスの美咲で、冷やかされるのを覚悟して言うと真面目に受け止められた。
 優太は、既に好きな人がいてあいつなりに努力していたが、その子は最終的に同じ部活の人を選んでしまった。
 そして2年になり、その彼氏と俺たちはクラスメイトになってしまったので、優太の心境はかなり複雑だったはずだ。優太が吹っ切れたかはわからない。しかし、それもまた仕方のないこと。その彼氏ともう一人を含めて俺達は高校生活を楽しんでいくようになったのだった。


 2学期になり急にクラスがざわめきだした。正確には、クラスの男子が動き出した。一度勝矢と公也に誰が好きなのか聞かれて、適当にはぐらかした。彼らの意中の人がかぶっていないかを聞いてきたみたいだったので、そこは違うと伝えた。冬が近づいて来ているので頑張ろうぜと言ってくる。いやいや、男前の君らとは全然違うから。


 美咲は相変わらず詩穂と一緒にいる。優太がたまに間に入って話をしてくれるが一言二言話をしてその場を離れてしまう。あとで決まって優太に言われるが、直視することができないのだ。それをわかってる優太のからかいが、妙に腹立たしい。
 最近、野球部の絵美と帰りに話すようになった。帰る方向がある程度一緒なのと、やたらと話しかけてくるのと。
 何日か帰りが一緒になり、絵美が意中の人はいるのかと核心をついてきた。
 なんでそんなに皆聞いてくるんだろう。


 優太に、
「知らない後輩からクッキーを食べてくれと言われてさ」
という話をすると、やたらとそのシチュエーションを聞いてきた。かくかくしかじか、まぁこんな感じの、と説明し、
「それでお前どうしたの?」
と聞かれたので、1個もらってありがとうと言うとどこかへ駆けていったと伝えると、頭を抱えてため息をつかれた。

「お前、それ最悪やわ」
と優太は言い、その子はお前に気があるぞ、告ってきたらどうするんだと問い詰めてくる。
「それは困る」
というと、
「お前って本当に自分のことわかってないな」
と呆れられた。



 うちの高校はほぼ全員が自転車通学だった。ある日の朝、自転車置き場に自転車を駐めようとしたときにクラスのスペースに1人先客がいた。美咲だった。
 少し空いたスペースに自転車を駐めると、向こうは先に鞄を持って歩いて行く。ここで優太なら肩でも叩いておはようと言うに違いない。しかし、そんなこと出来るはずもなかった。
 ただ、周りには誰もいない。教室に入ってしまうまでのこの少しの間だけが話しかける唯一のチャンスだった。おはようさえ言えばいい。たった、それだけなのに。やたらと、心臓の音がやたらとうるさい。

7へ続く。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
淳美…吹奏楽部 香織と仲がいい、面倒見がいい、琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい、幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる


ブクマコメントありがとうございます!
>まっこおばさま(id:makkosan70)
このうるさい心臓の音が伝わりますか😁ありがとうございます!登場人物の広がりはもうないと思います。

>みみこびと(id:mimikobito)さん
この人の出番がやってきました。まだ出てきていない人もいます。広がりがなかなかですけど、こう、なんていうか進んでいってしまうんです😅

>テイルズ(id:MyStory)さん
リアルに少し盛っている部分がありますが、そこは想像の世界です。あぁ、もう、っと言って優太がいたなら背中を叩いて押してるかも知れません😅こんな感情がある世代ってずいぶん前だなぁ、とおもいますね😁

>ユウヨ(id:byte0304)部長
自転車置き場の出会いなんて、なんだかとてもローカルですよね。しかし、当時の話となるとやけにしっくりくるというか✋







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