ジローの部屋

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日頃の生活に、何かプラスになることを。

怪我の功名

こんにちは、ジローです。
今回は過去の自分との比較の話。
 
学生時代ラグビーをやっていた。
大学から始めたため、未経験者が大半の小さな大学のラグビー部。
部の目標は所属していた4部リーグの優勝と3部リーグへの昇格。
 
1回生の頃は慣れるので一杯で、2回生の時は少し目立つことも出来だした。もともとサッカーをやっていたことでキックが出来たこともあり、人にはない武器があった。
3回生になると体も当初に比べるとだいぶ出来て来だして、上が少なかったこともあり、俺たちで盛り上げて行こうぜという雰囲気だった。プレーの幅を広げて、走り込んで、最後の仕上げを夏合宿でやって、万全の状態で秋のリーグ戦に臨もうとしていた。
 
そんな合宿中に足首を複雑骨折した。試合中にもう少しでトライだったところ、そのもう少しが届かなく、タックルが曲がってはいけない方にきた。
身体の中からバキバキという音が聞こえる。
骨折は初めてだったが、これは絶対に折れたと確信できる音だった。
野戦病院と化していた現地の病院に行き、今期絶望を告げられる。
 
残り期間の合宿中は、完全に腐っていた。
他の部員が外で土にまみれているとき、部屋に残ってひたすらゲームのレベル上げをする。自分の代わりに出場する後輩の活躍をまともに見られなかった。
なんのためにこれまで一生懸命にやってきたんだろう。
 
大学に戻り、地元の医者から最終戦に間に合うかもしれないと気休め程度に言われる。しかし、これが望みになった。トレーナーにリハビリメニューを組んでもらい、ひたすらトレーニング室で地味にやる。絶対に最終戦に間に合わせてやる、これがきついリハビリメニューに何度もくじけそうになる自分を動かす言葉だった。
 
3カ月のリハビリ期間を経て医師からの制約が徐々に緩和される。
歩けるようになったとき、走れるようになったとき、全力疾走出来たとき、こんなにも面白いものなのかと思う。
そして、リハビリに付き合ってくれるマネージャーの仕事ぶりや、トレーナーの様々な努力も知ることができた。
当たり前が当たり前でない世界を知り、違う立場になり、見えていなかったところに明かりが差す。
 
当時、上手くなることは技術を磨くことと思っていたので、プレーが出来ないことは遅れることとしか思えなかった。
リハビリで作った身体は4回生になったときのプレーの幅を変えていたし、何より当たり前が当たり前ではない世界を知ったことが大きかった。