ジローの部屋

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【プリッツ編③】世代交代の、その先に

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。

こんにちは、ジローです。

たくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!

おかげさまで、ぼちぼちとブログを続けられています。



さて、今回は、人生初トライをとったプリッツのその後の話。

なお、今日も学生時代の相方のプリッツが登場します。

学生時代の相方プリッツに関する過去記事はこちら↓

surrealsight.hatenablog.com
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夏合宿が終わり、秋がやってきた。

毎年この秋に行われるリーグ戦のために照準を合わせて一年間の練習を積み上げていく。

関西学生リーグに所属していたチームは、リーグ昇格を目標に練習に励んでいた。


当然のことながら、勝ちに行くために、当時のベストメンバーでスタメンを組む。

筆者はそのサバイバルに勝ち残ったが、プリッツはスタメンからまだ、遠かった。


一試合、一試合が行われていく。

プリッツはところどころ、途中出場をするも、スタメンは勝ち取れず、出場時間も短かった。

それでも練習は手を抜かず、技量を磨いていく。


リーグが11月に終わり、その年の世代が引退する。

プリッツはその年、結局スタメンは夏合宿のみで、夏合宿のトライが彼の唯一のトライだった。


次は三回生。

四回生が4人しかいなかったので、主要なメンバーは新三回生となる、自分たちだ。


上級生が引退すれば、それだけ出場機会が増えることになる。

春には三回生になる前の冬の間に、さらに身体をでかくして、上手くなろうと話をする。

自分達の世代が最上級になるときを見据えて、新三回生で話をしながら、練習に励んでいた。



冬の寒い時期に、外のグランドで練習をする。

タックル負けしないように、オフェンスもディフェンスもハードなコンタクトを伴う練習をしていた。

試合を想定した対人練習、これは練習のための練習ではないので、当然のこと。

試合を想定した練習をしていなければ、試合の中の局面で相手を圧倒することはできない。


プリッツがディフェンスに入り、マネージャーがスタートを意味する笛を吹く。

オフェンスとディフェンスが展開し、ボールがオフェンス側に供給されて2人対2人の局面練習。

パスを受けたオフェンス側の人間がステップを踏んでから斜めに切り込み、突破を図ろうとした。

そこにプリッツがタックルに行く。

人と人がぶつかる鈍い音。



それは局面ごとにあるのだけれど、その時は、少し違う音がした。





プリッツが倒れている。


そして、動かない。


筆者はプリッツの名前を叫ぶ。


プリッツの周りに人がかけよる。

プリッツは、プリッツは少し痙攣して、意識が朦朧としていた。


やばい、救急車
マネージャー、救急車呼んでくれ

誰かが叫んだ。



そこからは、もう何が起きていたのか。



先輩が必死にプリッツに呼びかけ続ける。

動かすな、という怒号にも似た声がグランドに響く。

誰かは、原因を考えている。

タックルに行くときに、プリッツが首の向きを間違えていた、と言っていた。

プリッツのタックルを受けたオフェンス側の人は、呆然と立っている。

誰かは救急車を誘導しに大学の門の方へかけていく。

筆者はプリッツに、名前を必死に呼びかけることしか、できなかった。


こういう時の救急車は待てども待てどもなかなか来ない。

きっと、すぐに来てくれたんだろうけど、時間の速度がひどくゆっくりに流れているような感覚になる。


普段車が踏み入れない、毎日整備をしているグランドに、救急車が轍を作りながら入ってくる。

救急隊員はリヤハッチを開けてストレッチャーを降ろし、一人の隊員が軽く問診をする。

状態を見極めて、首が危ないなと話している。



そしてサイレンとともに、プリッツは搬送されていった。

筆者は、同じ部の友人とともに、練習着のままいったことのない病院まで車を走らせた。


病院につくと待合室に通された。

そこで救急車に同乗した、春には同じ新三回生になるマネージャーがいた。



彼女は泣いている。

彼女は筆者に、プリッツの状態を説明した。


彼女は簡単にしか説明を受けていないが、混乱している。

筆者も学生なので、大した医学の知識もない。

ただ、彼女の言っている

首の脱臼、骨折

っていう状態が、ただの足の骨折とは大きく違うことぐらいは理解ができた。

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