ジローの部屋

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【プリッツ編⑥】思いを、尊重して

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こんにちは、ジローです。

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おかげさまで、ぼちぼちとこのブログを続けられています。



さて、今回は、沖縄に帰ってしまったプリッツの話。

過去記事は最後にリンク貼ってますので、よかったらどうぞ。



スパナ大作戦が終わり、手術を無事に終え、かなり確率の低かったフル回復に光明が差してきた。


プリッツはふたたび前を向き出し、筆者は時々電話をとる。

ただ、プリッツの家族に与えた、ラグビーは危ないという意識は、相当な大きさだ。

ただでさえ、大学を辞めさせようとしていたところを、なんとか卒業してというプリッツの思いに、やっと折れたぐらいだから。


部の方は、練習を考え直し活動再開について、それこそ部活の意義から考え直されるような事態になった。


大きなケガがあった。

しかし、それのせいにしてやめると、それはプリッツが自分のせいと受け止めるのではないか。


プリッツには帰ってきてほしいが、ボルトが組み込まれた身体では、実質的にプレーは難しい。


彼がここに戻ってきたいと思うのか、それともある程度の距離を置くのか。


ここは人生の大きな転換点を迎えた彼の判断を尊重するほかない、そういう結論に至った。


そうして、大学にプリッツが帰ってきた。

奇跡的な回復により、左腕も元のようにしっかりと動く。

頑張ったな、大変やったなと、いろいろな人が声をかけている。


彼が大学に戻ってきただけで、十分じゃないか。

また、話せるだけで十分じゃないか。


部の方はプリッツの復学に皆安堵していた。

もう夏前になっていたが、ようやくシーズンか始まったような、そんな感覚があった。


しばらくして、プリッツはトレーニングルームに顔を出すようになつた。

筋トレをして、身体の状態をもとに戻したいようだ。

そうして、またしばらくの日が経った。



ある日、グランドで練習をしていると、マネージャーの隣に見慣れた青いジャージの男が立っていた。

彼は、余っているボールをもって、スクリュー回転をかけながら、ボールをもてあそんでいた。


練習が終わり、円陣を組んで、簡単なミーティングがキャプテンを中心に行われる。

そこで練習に関する意見交換が行われた後に、キャプテンが

他に連絡事項は

と皆をみる。


すると、後ろから

ちょっといいですか

と声がした。

青いジャージを着た彼はキャプテンの横に、歩を進める。


そして


ラグビー部に復帰します!


一瞬の間が開いた。


プレーは出来ないけど、出来ること探してやりたいんで、また仲間に入れてください。


顔を見あわせる者がいる。

涙をこらえきれないマネージャーがいる。



オッシャー
ウォー


と野太い声と咆哮がグランドに響き渡る。
プリッツに抱擁しようとしている部員を、誰かが必死に止める。

笑いと涙で、プリッツはもみくちゃにされた。


チームがようやくフルメンバーなった。

全員がそろう、これだけのことがこんなにも嬉しく感じたことは初めてだった。



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