ジローの部屋

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【県庁のひと編 完結編】嬉しい、誤算

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。

こんにちは、ジローです。

たくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!

おかげさまで、ぼちぼちとこのブログを続けられています。



さて、今回は、県庁のひと編の完結編。
長らくこのテーマを引っ張りましたが、お付き合い下さりありがとうございました。
今回は少し長めですが、ご容赦を。
過去記事はこちら↓
surrealsight.hatenablog.com
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では、どうぞ。



そのイベントは、新聞の地方欄の記事になった。
小学生へのインタビューが最後に載っていた。



イベントでは、大人のなにかである宣言式がとりおこなわれ、地元の警察署長まで参加していた。出席した企業もそれに併せて重役が参加していた。

ふわふわしたひとは司会の進行役を、本庁の彼女は裏方の仕事に奔走していた。

マイクが入り、イベントが始まる。

買い物に来たお客さんが、なんだなんだと足を止める。

宣言式は導線がしっかりと事前に説明されていて、立場ある人達がおろつくことはない。
皆流れるように移動して、それぞれの役割を全うしていた。

司会も噛むことなく話している。


裏では本庁の彼女が、次の小学生の衣装を確認し、保護者向けに記念撮影時間を設け、出番での役目について説明する。

さっきまではしゃいでいた小学生達は、真剣な眼差しに変化する。

遠目で見ている校長先生は満足げだ。


そして、小学生の出番になった。
彼、彼女らは見慣れない服にバッジをつけて入場していった。

そして、表彰状を入れるような黒塗りの盆に、ラミネートした紙が人数分入れられ、出先機関のトップが立つそばに運ばれる。

小学生達は緊張した表情でその前に整列して、一人一人がラミネートされた紙を受け取っていった。

そして、トップの人は前に並んだ小学生の目を見渡し、ゆっくりと話しかける。

今日は集まってくれてありがとう。
君たちに重要な任務をお願いしたい…。

小学生達は、その言葉を忘れないように見入りながら聞いて、うなづいている。

やがて、話が終わり彼、彼女らへのミッションが伝わった。



一つは今日この場での仕事のこと、もう一つは家庭や学校でやってほしいこと。
どちらも、難しいことではない。



しかし、こうして聞くと今から始めようとしているこの場での仕事のことは、すごく重要な大切な仕事であるかのように聞こえた。


そして、クールな担当者から協力を得たものも入った、市の担当者が袋詰めしてくれた配布物がたくさん収まったカゴが関係者に渡され、活動が始まった。

ふわふわしたひとと本庁の彼女は2人で買い物客に元気な声で挨拶をして、声をかけ出した。

それを見た小学生達は、やり方がわかったのか、それぞればらばらに散っていき、買い物客を呼び止めて、声をかけ出した。



ある小学生は、事前説明の時に、自分に出来るかなとかなり緊張していた。
その子も友達がやっている姿を見て、声をかけている。


話している途中である子は、伝えたいことの言葉が一瞬わからなくなる。
それをクールな担当者が耳打ちしてフォローしていた。



買い物客は、小学生の話を微笑ましく聞いてくれている。

彼、彼女らは誰も皆真剣で、買い物客から

ありがとう

と言われるととても嬉しそうな表情をしている。



ふわふわしたひと達は、一足早く、イベント終了に向けての準備を始めていた。
様子をじっと見ている暇はない。

そして空になったカゴを持って、小学生達が帰ってくる。

彼、彼女らは、もっと渡す袋がないのか、と聞いていたが予想よりも早く用意した数が底をついたようだった。

少し残念そうにしている小学生に、新聞記者がインタビューをかけていく。
事前に連絡していたため、記者は最初から参加していた。

インタビューを受けることに驚いて照れる小学生。
その様子を笑いながら、パシャリ、とする保護者。

参加した企業などの大人も取材を受けている。




こうして、イベントは無事終了した。




翌日、新聞の地方欄にこのイベントの記事があった。
記事には、地元企業も協力して、地元小学生と一緒に活動している様子の写真がカラーで差し込んであった。


インタビューを受けた小学生の

緊張したけど、やってみてとても面白かった
今日はこういうことができて、本当によかった

という内容のコメントを添えられている。


ふわふわしたひとは、通常業務モードに戻る。
ただの契約社員である彼女は、当日手伝ってくれた同僚達から労われる。

トップからも好評を得たようで彼女の上司はなぜかご満悦で、また来年も、言う始末である。



彼女には嬉しい誤算があった。



クールな担当者は、今回の社会貢献活動を非常に良い印象を持ったそうで、度々ふわふわしたひとのところに、メールが入り、以後のちょっとした活動でも都合が合えば参加してくれるようになったようだ。
あれだけ最初難しい顔をしていたのは何だったんだろう、と後に彼女は言っていた。


彼女のいる出先機関に、学校から連絡が入った。
どうも、今回選に漏れた小学生が何人もイベントを見に来ていたようで

次の時にはぜひやりたいと言っている子がたくさんいる

ということだった。


地元の市役所から、指名で連絡が頻繁に入るようになる。
地元のスーパーも、次回があるならまた場所を提供しますよ、と声をかけてくれたようだった。


誤算はこれだけではなかった。


その年の冬に、小学生向けの作文コンテストが大手新聞主催で開かれ、入場者の作文が掲載されていた。

そこにこんな内容の作文が載っていた。

僕は大きくなったらお巡りさんになりたい。
僕の町で夏休みに初めて行われたイベントがあって、僕はある役が当たったので、出席することができた。
僕らにはミッションがあって、緊張して出来るかなと、自信が持てなかったけど、勇気を振り絞ってやってみると、非常に楽しく仕事をやることができた。
僕には大切な家族や友達がいて、その人達の安全を守りたいと思った。
だから大きくなったらお巡りさんになって、家族や友達を守りたい

と。




単にイベントがうまくいっただけじゃない、人にいい意味で大きな影響を与えている。
投げ出すのではなく、まずは動いてやってみる。そうすると不思議と助けもはいってくる。
そうして、予想以上の結果が生まれてくる。

こういうのが、いい志事って言うんだろうな。


いろいろな人のブログがあるので、こちらもどうぞ。
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