ジローの部屋

ジローの部屋

日頃の生活に、何かプラスになることを。

消せない、烙印

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。
こんにちは、ジローです。
いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!
おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。


さて、今回は、仕事の話を少ししようかと。

では、どうぞ。









最近、仕事量が多くなってきた。
自分のやりたい仕事をある程度任してもらえるから、というところが大きいんだと思う。


筆者のやりたいことは、現場が使える資料を作っていくこと。それは、けっこう時間もかかり労力もかかる。
目の前の実績を上げるには、そこに目を向けるのは非効率でもある。


でも、仕事は現場の上に成り立っている。
現場がうまく回らないと、結局会社全体が困ってしまうことになる。


えらそうにいうのは簡単だ。
対処療法もやれば出来るんだろう。
でも、それじゃあ根本的に解決しないし、後継者も育たない。


だから、今は畝を作り、種をまいて、水をやっていく。
その作業は簡単ではない。

でも、


面白いんだよな。









約1年前、内部異動で筆者は今の係に配置になった。
筆者は上司も含めて5人の係の4番手として異動してきた。
筆者と同じ役職のものがあと2人。上の役職の上司が1人。
そして、1つ下の役職の人が1人。


その1つ下の役職の人が、かつての上司からダメ社員としての烙印を押された人だった。
筆者の隣でデスクを並べていた、その人。
その人は、パソコンの前で腕を組み、日がなぼーっとしていた日が多かった。


筆者のいる係の隣の島には、その人のかつての上司がいる。
ダメだと烙印を押したその元上司は、自分の仕事の暇を見て、時々こちらの島に声をかけてくる。

そういう時、筆者の隣の人は決まって愛想笑いを浮かべて、ふざけた軽い返答をしていた。


元上司はいかにその人がサボるのか、ということを筆者に説明してきた。
それがけっこう頻繁にあった。

その人は、その度に「へへへっ」て笑っている。

まだ余裕のない筆者には、どう反応したらいいのかよくわからない。
同じ係の人は、かつての元上司に同調するような反応だ。


さて、どうしたもんかな。

…次回へ続く。





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ブクマコメントありがとうございます!
>まっこおばさま(id:makkosan70)
仕事面白いはけっこう大事なんじゃないかと思います。最後が面白いといい思い出になりますね✨

>テイルズ(id:MyStory)さん
イメージはなかなか剥がせない。ほんとそうですね。剥がすには?どうしたら?みたいなところが出てきます。人の入れ替えとプラスファクターを持った人。このタイミングもいりますよね😏

ユウヨ(id:byte0304)部長
そうなんですね、へー😁って薄いいいかたではなく、けっこう裏には深いよみがあったりしますよね。

【電車のひと短編⑰】待合室の、大統領

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さて、今回は、電車で出会う、電車のひとの新たなお話。
今回は、17話目になります。
毎回、筆者が出会った人を1話ものでまとめた短編。

過去に出会った人達は末にあるリンクからどうぞ。


では、本日のお客さまを、どうぞ。










彼は右手でリズムをとっている。
左手で書籍を持ち、右足ではなく左足を組んで。






神戸本線から支線に乗り換える駅の待合室に入った。
部屋の両側にベンチが配置され、8人ずつが座れるようになっている。


普段この待合室に、数人がいることはあっても、混んではいない。
しかし、今日筆者が入ったときは8人入っていて、空いている席は1つだった。


筆者の前には、スーツケースを床に置き、ビジネス鞄を空いた席に並べた男性がいた。
彼は眼鏡をかけて、冬物の厚めのスーツをまとい、分厚い紺のマフラーを巻いている。



ふと、待合室で何か音が聞こえる。



ラジオでも流れているのかと思うと、その男性がひたすら何かを呟いていた。
筆者は何を言ってんのかと耳を澄まして、コトバを聞き分けようとしてみた。


すると彼はどうやら英語の書籍を読んでいたことが理解できた。
身なりからして、大学教授か何かだろうか。
50すぎているであろう髪の色だが量は保たれている。


彼はゆっくりと抑揚をつけて、右手でリズムをとりながら、ひたすら書籍を声に出して読んでいた。
普通の会話より少し小さめの声で。
しかし、1.5メートル程度離れた筆者には聞き取れる声で。


時折、語尾の単語を強調している。
なんでそんな言い方をするんだろう。


書籍は持っているものの他に、ベンチにカバーがかかったものが1冊、カバーを外したものが1冊。
どちらも新しくはない。



彼は一人で自分の世界に入っている。
なんというか、BBCのキャスターがちょっとゆっくりと話すように個々の単語をしっかりと発音している。

彼は書籍を持ち替えた。
今度は左手でリズムをとっている。





もう、何本も電車は止まって通り過ぎていった。

彼は書籍を持ち替えただけでまだまだ読み続けている。
足は組み代えない。




1人、2人と待合室の人が減る。
そして、とうとう待合室は筆者と彼だけになった。




彼の読み上げは続いている。

ただ、少し疲れが見えだした。
声のハリがなくなっている。


ここまでして読まないといけない理由はなんだろう。


筆者の興味は最高潮に達していたが、残念ながら帰らなくてはならない。
仕方なく筆者は立ち上がり、乗り換えることにした。

そのとき、彼の読んでいる本の表紙が指の隙間から見える。





「バイデン就任演説」

あの手は、あの身振りは、大統領だったのか。



surrealsight.hatenablog.com

ブクマコメントありがとうございます!
>まっこおばさま(id:makkosan70)
最初は何やってんだろうだったんですけどね、なるほどって😏たぶんこの人は日課にしてそうな感じでした。

>みみこびと(id:mimikobito)さん
見えました?私の視線!
じっとはみてませんよ。印象に残りやすかったのですけど、もうちょっと英語力があれば話は早かったかも😅

>テイルズ(id:MyStory)さん
さらに発展、ありがとうございます😁
いやいやいやいや、なんなんでしょうか。読み切りたかったのかな、とも思いました。プロフェッサーじゃなかったらなんなのか。これが終電くらいになってくると一気にホラー感がましますが、駅前留学の学生であれば応援したくなります👍

>ユウヨ(id:byte0304)部長
まさに、ザ・ワールド!
時が止まったかのような、そこだけの世界が動いているかのような、そんな空間でした😁


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カレイな、シンカ

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前回のタワーマンション群の話。
surrealsight.hatenablog.com
これは、筆者がはてなの世界をタワーマンション群に例え世界を見える化したような話。

この話で、満月ママ (id:fukutsuno_toushi)さんからそこに住む人の話を小説にと、みみこびと (id:mimikobito)さんはオーシャンビューの部屋を押さえたいので手付金いりますか、と乗っかってもらえました。

満月ママ (id:fukutsuno_toushi)さん、お題もらってまだ書いたことがないんですけど、面白そうですね✨この世界の住人の方を筆者の勝手なイメージで、という感じですね。
みみこびと (id:mimikobito)さん、無料ですので、空いてるお部屋使って下さい。たまに短編立ち読みしてもらったら、喜びます✨


しかし、そういうショートストーリーを書いて欲しい人って他にもおられるんでしょうか。
もちろん書けるかどうかは全然わからないんですけど😅


さて、前置きが長くなってしまいました。
今回は、カレイなシンカ、の話。

では、どうぞ。







40を超えると、とたん体にガタがきだす。
健康診断に引っかかる回数が多くなり、検査時間も増えていく。

20代の頃のように、無理も無茶もできない。
ただやらないといけないことをやるために、無理まではする。

色んな所で、
「こんなはずじゃなかったのに」
というところが出てくるけれども、どうもこれは仕方がない。


マイナス面に目を向けると、たくさん出てくるようになる。ひとえにそれは加齢が原因。
いや、しかし下がるばっかりなのか。


先日、ふと気がついた。
夕食を作っているときに、卵を割る。
ほんと、何ってない作業だか、これがいつの間にか片手割れるようになっていた。

何回か失敗して、卵を使いたいときにサラッと練習していたことなんだけど。
料理するときは次の手順や準備や洗い物をどのタイミングでするかと考えてやってるので、いつの間にか出来たときをスルーしていた。

そして、最近は殻が入る率もぐっと下がってきている。
流れるように卵を割って、殻を三角コーナーへストライク投球して、混ぜる。

なんや、出来るようになることもあるんや。


料理は相変わらず実験的な要素が多いため、見た目はオシャレさがない。三者三様の小人の舌も相変わらずのため、三人が納得するものもなかなか作れない。

しかし、こういう変化を見つけることで、モチベーションは上がってくる。


いい変化は進化になる。
まだまだ、見つけようと思えば見つかるはず。


ブクマコメントありがとうございます
>まっこおばさま(id:makkosan70)
加齢を華麗に。ありがとうございます。おばさまのような、歳を重ねるという表現を使えるようにやっていきたいです。

>ユウヨ(id:byte0304)部長
成長する部分が見つかると、歳をとることも悪くはないなって思いますね。そういう意味で、そういう見方を増やしていきたいな、と思うんですよね😁


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タワーマンション群の、一部屋で

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前回まではアオハル編が続いておりました。
surrealsight.hatenablog.com

そうして、久しぶりに、作り話はなくて普通の記事を書こうとしたがなんだかしっくりこなかった。

だからこういう時は、少し立ち止まってみようと思う。

今回は、そんな短いお話。

では、どうぞ。










はてなの世界は、言わばタワーマンション群。

いろんなジャンルがあって、いろんな建物がある。

特化型ブログを書いている部屋もあれば、雑記型のブログを書いている部屋もある。

ブログで稼ごうとしている部屋もあるし、そうでない部屋もある。

1日に4桁以上のアクセスを集めている部屋もあれば、昨日始めたばかりでカウンターが動いたことに一喜一憂している部屋もある。

一人でいくつかの部屋を開設している人もいれば、数人で経営させている部屋もある。



外から見れば大きないくつもの建物があるけど、中の自分の部屋からはドア1つで行きたい部屋に繋がっている。

IDコールをかければたくさんの部屋の呼び出しが出来、言及するとその部屋と接続される。

違う国でも、違う言語でも、接続できる。

それは、四次元的な空間。




そんな中にある、自分の部屋。
気がつくと、ちょうど1年5ヶ月。
まだまだ始めたばかりの、2年生。

そろそろ自分の部屋の、彩、が出来てきたんだろうか。

筆者の部屋は、何か響くものがあれば、というもの。
誰に対しているのかも、どんな人に対してかもよくわかってないんだけれども。
時折まとめる短編とかに、それを込めて。

発信はぼちぼちと。
創作もぼちぼちと。

また、書いていこう。

ブクマコメントありがとうございます!
>まっこおばさま(id:makkosan70)
いつもありがとうございます!らしくらしく、いいですね!
今日はセピアのバックにセーラー服が見えました。響いたお話ありがとうございます!

>AKI(id:aki800)さん
ありがとうございます!部屋でイメージをつなげてみました!また書いてみたいという意欲もあるので、やってみたいなと思います。今度はどうするか、また雨宮氏の続きにしようか、何か新しいものをやってみようか。福井さんの続きも構想はあるんですけど、頓挫しているのでそこを立ち上げようかな、というところです😅

>ユウヨ(id:byte0304)部長
はてなの世界っていいでしょ?これ、気に入ってるんですよ✨ここの世界のつながりは本当に温かさがありまして、しばらく仕事で忙しくても顔を出すとおかえりと言ってくれる。これって、たまんないですよ👍

>テイルズ(id:MyStory)さん
ありがとうございます!宇宙ですか😲さすがスケールの大きさが違いますね、大きな流れもありつつ、輝星の周りに周回するブログがあって、サブブログが衛星みたいなもんですね。
たくさんの銀河があって、それぞれの生命体が進化していく✨
いやぁ、こういうのって楽しいですね🎵




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【アオハル編あとがき】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

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さて、今回は、前回終わりを迎えましたアオハル編
surrealsight.hatenablog.com
のあとがきです。

この話の元となることなどを書いていこうか、と。






話全体のイメージについて




もとはりょうさん (id:ryousankunchan)の
yukiichihimenitaro.shop
という企画から生まれた筆者のアオハルフィルム

漠然としたイメージがあって、何人かの視点で時間の流れを追いかけていこうかという感じで書き出しました。

その漠然としたとしたイメージというのがAKI (id:aki800) さんのスタイル。
hajimarikokokara.hatenadiary.com
AKIさんは、日常のことや音楽のことなどをエモく綴っているブロガーさん。

このりょうさんとAKIさんは、筆者の″推しブロガー″さんなんです。

AKIさんは以前から曲を差し込んでエピソードを綴られていてその曲とエピソードのはまり具合が筆者的には絶妙なんですね。

AKIさんのスタイルをイメージして、それを上手く倣って、りょうさんとの企画をやってみたい。
これが筆者の漠然としたイメージ、でした。




構成について



構成は、はっきり言ってほとんど考えていませんでした。
なんとなく書き始めて、
「これ男女交互にそれぞれの視点でいけるんちゃうん?」
って気がつき、事実という大きな時間の流れをそれぞれの視点で補完していきました。
ちょうど大きならせん階段を、ゆっくりと昇っていく感じで。

このような構成でりょうさんの旋律を重ねていく。
初めは曲が出てくる話にはめ込もうと考えたものの、振りが長くかつせっかくのものかがもったいない。
それで毎話贅沢ながらピアノの調べを流せるようにしました。



登場人物について



最後に、今回の登場人物は11人。
男子5人、女子6人。
女子の琴子だけが高1で、後は皆高2の同じクラスという設定です。
筆者が誰かは、おわかりのとおり、幸次郎でした。

最終話から彼、彼女らの設定を引用すると

優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    美咲に告白した
    琴子の気持ちは断った
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
   詩穂の気持ちが信介に向いていることに気付きだす
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい。
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい
   美咲に一目惚れ

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩
   幸次郎に告白したが片思い中だと言われる   
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   公也や勝矢の相談に乗っている
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に告白される
   詩穂と仲がいい
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる

でした。


当然ながら、彼、彼女らは全て仮の名前です。
そしてこの話は筆者の過去体験を元に作成しています。お気付きのとおり筆者は幸次郎になります。

ほとんどが実話ベースで、所々の足りないところはその人の性格などに合わせて創作しました。そのネタ元の話について。




3年のクラス替えから

C組。 幸次郎、勝矢、香織、淳美、絵美
H組。 優太、公也、信介、美咲、詩穂

となりまして、それまで頼り切っていた優太がいなくなり、幸次郎は半ば吹っ切れた感がでてきてそこそこ話が出来るようになってきました。
勝矢とも3年の時に、幸次郎はよく話し込んでいて、お互いの終わってしまった恋愛とこれからの受験についての話を、放課後の教室で語ってました。
女子とは、絵美が上手く橋渡しをしてくれて、淳美ともやりとりするようになってきたわけです。淳美と話せるようになると女子ほぼ全員との橋渡しがいつでもやってくれるようになりました。



ただ、それだけではそこまで話を引き出せはしない。
この異性との友人関係が卒業してからも続き発展していきました。
若干メンバーチェンジして、男女12人位のグループができ、年に何回か集まるようになりました。


そこのグループにいたメンバーが、

幸次郎、優太、信介、香織、淳美、絵美

になるんです。
そのグループは優太以外は皆進学先が違い、大学に行く人、専門学校に行く人がおり、そのグループ内の恋愛もなかったので、かなりざっくばらんに話をするようになり出したのです。
なかなか恥ずかしくて聞けないこんな時に異性はどう思うのかなんて話や、高校の時のぶっちゃけ話など。


それで、琴子の話とかが明かされていきました。
当然、クッキーのくだりの話がでて、幸次郎は女子全員から
「サイテー」
と非難され、野郎全員から爆笑されました。


では、何人かのエピソードを。



当時美咲に告白していた、信介。
彼もまたそのグループにいました。
当時、最悪なタイミングで幸次郎が告白を行ったので、やさぐれました。でも、彼は気持ちの整理をつけるためにもう一度告白に踏み切り、そこで踏ん切りをつけてました。しかし、彼は詩穂が思いを寄せていたことを知り、
「俺、めちゃくちゃモテるやん」
と自信を取り戻します。
それで卒業してから、あの時はどうだったのと幸次郎に語るようになってきて、また話をする仲に戻ったのです。


テニスの貴公子だった、公也。
公也は詩穂のことを思っていたので、詩穂の気持ちが信介に向いていることに気付いて愕然としています。そのまま信介と上手くいくことを望んではいない。そこは難しい気持ちの揺れです。そんな部分もあっての幸次郎への連絡。
彼もいろいろと気付いていたみたいでした。
思っている人が好きな人は友人で、その友人が好きな人は思っている人ではない。
観てて辛すぎる状況です。


B'zをこよなく愛していた、香織。
香織は告白された話をぶっちゃけてました。当時はまだ特定の好きな人がいなかったようでした。キャーキャー話していたのは若かったなぁと二十歳そこそこの女子が昔を回顧しておりました。
男子目線でいうと、女子のいう
「えー、かわいい」
ってやつ。
これが全く理解できないと幸次郎は香織に話してみましたが、彼女の方も
「だって、かわいいやん」
という返答でかみ合わなかった記憶があります。だから、キャーキャーいう話も含め、理解するというよりかはそういうもんなんだと丸飲みして理解しようとしていました。


面倒見がいい、淳美。
彼女はグループのとりまとめみたいなことをしてくれていました。大学にいって合コンの話を持ちかけられると断らない。そして、幹事役を進んでやる。そして終わった後に、ひとりため息をついている、みたいなタイプの人です。
自分のことよりも人の応援をしようとする。それだけに損な役回りもしていて、なんかもったいないような。
彼女ともけっこう人生語りました。


BLUEで1日を表現した、美咲。
これは幸次郎が付き合っているときに、本人から話を聞いてます。手帳も見せられて、めちゃくちゃ落ち込んだ、という話でした。
幸次郎はひたすら謝っていました。けっこう怒ってましたね、美咲さん。
そりゃあんた、仕方ないわ、と今ならはっきりと幸次郎にツッコむところです。
携帯電話があれば、いとも簡単に連絡がとれますが、そうではなかった頃。
家に電話してお父さんが出たときは、何とも言えない間がありました。こんなヒヤヒヤする思いを今の人は感じる必要もないので時代を感じてしまいます。


長い黒髪が和の雰囲気を漂わせていた、詩穂。
詩穂の話は美咲から聞いています。仲の良かった優太も深層までは聞けてなかったようです。彼女はしっかりとした芯があるひとでした。
ただ、そんなに情報量がないので、初めの方にもってきました。あと、ケンカしてたときの様子は優太や公也がよく知ってたのでそこからの組み立てです。幸次郎は気付くのが遅かったですね。敏感な男子はケンカ初日からの異様な雰囲気に気付いてたようです。



という具合で出来ましたアオハルフィルム、でした。
いかがでしたでしょうか。

筆者のフィルムから、読者の方のアオハルフィルムが再生されていったのなら、それは書き手として、最高の褒め言葉なんじゃないかと思います。

りょうさん、AKIさん、ありがとうございました🙇

ブクマコメントありがとうございます!
>まっこおばさま(id:makkosan70)
ようやく終わりました。ラストまでありがとうございました。幸次郎さん、ご名答です。バレンタインの淡い思い出、ですか✨アオハルをまた語ってくださいませ🙇

>ユウヨ(id:byte0304)部長
そうなんです。実話ベースなので、お恥ずかしい限りなんですけど😅推し、ありがとうございます!

>テイルズ(id:MyStory)さん
映像化!?考えたこともなかったですよ。誰が何をやるかって、面白いですね。一度全員本人役でやってもらっても面白いかもですけど。自分は幸次郎役やりたくないです、チキンすぎるので😅

>DIT井上(id:ditinoue)博士
まだお邪魔出来てないんですけど、一気読みします。博士の創造力、半端ないですね✨
いろいろと次の化学反応が起きていく。これは書き手にとってこの上ない喜びですね🎵


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【アオハル編⑬最終話】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

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ブロ友りょうさん (id:ryousankunchan)のアオハルの話⬇
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この企画へ筆者がリクエストしたBUMP OF CHICKENの「K」は絶賛ロングラン公開中です。
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そして、こちらのアオハル編ではこれまで12話のお話がありました。
これまで登場人物はこちら。


優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    美咲に告白した
    琴子の気持ちは断った
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
   詩穂の気持ちが信介に向いていることに気付きだす
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい。
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい
   美咲に一目惚れ

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩
   幸次郎に告白したが片思い中だと言われる   
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   公也や勝矢の相談に乗っている
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に告白される
   詩穂と仲がいい
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる
   


では、まずはりょうさんのピアノの旋律
youtu.be
をぽちっとお願いします。

そして今回は、話の構造上原曲も使います。
りょうさんご理解下さいませ。



今回はこのシリーズの最終話。
そして、リクエストした「K」が登場します。
BUMP OF CHICKENがデビューしたのは優太や幸次郎が大学生のとき。ちょっとしたズレがあるのですが、そんなところもこのアオハルフィルムに入ってきます。

ここまで、長々とお付き合い下さりありがとうございました。

筆者もこのアオハルフィルムを眺めながらいろいろと思い出すことがありました。

では、エピソード13、最終話をどうぞ。













13 幸次郎の独白 後編



 休み時間に目が会うと笑顔が見られることや、テスト期間とかの部活がないときに時間をずらして一緒に帰れること、約束をして外で会うと制服とは違った雰囲気を知れること。こういうことが幸せなんだとわかってきた。
 でも、話が出来なかった日は落ち込むし、予定が合わないともどかしくなるし、会話の中で沈黙があると気が重い。
 こんなに弱かったっけ、とも思ってしまう。



 少しのことで幸せを感じ、少しのことで落ち込む。大人から見ればなんてないことが、あの頃の年代だからこそなのかも知れない。その環境が眩しくもある。

 ただ、どんな年代でも奇跡ってのは長続きしないんだ。


 元々、自分から喋ったことがなかった。
 何か共通の話題があるわけでもない。
 それを作っていったり、見つけたりするのが恋愛の楽しいところなんだろう。
 しかし、そういう風な基本的なところが全然足りてなくて、周りから冷やかされるのが嫌でなかなか学校では話せない。
 
 次第に沈黙が出てくる。なんとかしたい。嫌いなわけじゃないのに。
 
 まだ3年でもクラスが同じになれば、まだ共通点もある。しかし、次のクラス替えでそれがかなわないことがすでに決定事項だったのだ。

 
「別れた方がいいと思う」


 ある意味、春休みのタイミングでこのセリフが来ることは必然だった。



 
 アオハルフィルムのエンドロールが流れ出す。
 セリフのないシーンが走馬灯のように流れていく。




 クラスも別れて、また話すこともなくなった。
 進学先も全然違う世界。
 そこでまた違う恋愛を、お互い進めていく。交わることのなかった美咲との接点を、一浪して同じ大学にきた優太が取り持ち、時々メールするぐらいにはなった。ただ、それだけだ。
 時間と共に美化されていく思い出が、ぼんやりと残っているだけだった。
 




 映画館で映画を見るとき、エンドロールが終わるまで席を立たない。その映画の音楽やキャスト、スタッフロールまで静かに観たい派だ。
 そうするとたまに、また本編かと思うような映像が流れ出すことがある。唐突なセリフが堰をきってきてりして。





「Kっていう曲があるんよ。めっちゃいいから聴いてみて」
 
 

 大学が終わり社会人になる。
 あれからもう6年くらいの月日が流れた。

 相変わらず美咲とは、たまのメールの緩い関係が続いていた。で、ひょんなことから音楽の話になり、BUMP OF CHICKENを聴いているという話になる。どうもこれが彼女の琴線に触れ、さっきの「K」の下りになった。
 
 その勢いに少し圧倒された。
 そして、知らなかったので、探してみるという話をすると
「MD貸してあげる」
と。
 
 
 それであっさり会うことになった。


 お互い、そこそこ付き合っていた彼氏彼女と別れていた。
 お互い、実家と離れた学校に行っていたのに地元に戻ってきていた。
 お互い、あれからいろんな状況が変わっている。

 そして、自分はちょうど一人暮らしを始めるタイミングだった。

youtu.be
 オーディオに借りたMDを入れ、1曲リピートにして曲をかけていく。
 曲の中の黒猫が頭の中を駆けていく。

 床に寝っ転がって、真っ白の天井を見た。
 そのスクリーンに再会した時の様子が見えてくる。



「貸してくれたお礼に何かご飯おごるわ」
という話をすると、嬉しそうに考え出す。そして、
「じゃあ、その次は私が出すよ」


 
 じゃあ、その次は、か。




 仕事が終わると、連絡が来るようになる。
 時間ができたときに、部屋に遊びに来るようになる。
 来月の仕事の休みの予定を、お互い合わせてくるようになる。
「仕事の気晴らしにどっかいこうよ」
と話すと乗ってくるようになる。


 ずいぶんと普通に話せるようになったのに。深いところまで聞けるようになったのに。
 たまに出てくる元彼の話。
 これが彼女の深層に大きく根付いていた。


 
 だから、今度はわかってて告白した。

 ずいぶんと泣かれて謝られた。


「ちゃんと伝えてきなよ」




 伝えないと、伝わらない。
 その言葉が自分にできる精一杯、だった。





 カタカタと回っていたフイルムが、止まった。
 時代遅れのものなので、そっと機械から外す。

 今度見るときがいつかはわからない。
 たぶん、もう、再生することはないだろう。
 でも、壊れないように。
 ちゃんと箱に入れてしまっておこう。

 ・
 ・
 ・

 終わり。

surrealsight.hatenablog.com
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ブクマコメントありがとうございます!
>テイルズ(id:MyStory)さん
ヤバいです、このキャッチ新たなコラボ✨これはぜひ総集編にしたときに使わせて下さいませ🙇この引き出しの多さ、一体どんなお仕事をされているのか気になります😁

>まっこおばさま(id:makkosan70)
全て無駄なものはないということですね。
恋愛もまた然り。深いです。

>ちまりん(id:chimaring)さん
構成は初めあんまり考えずにいったんですけど、最終的にはなんだか仕組んでるみたいな形になりました😅
ちまりんさんのアオハル編再生されましたか😁けっこういろんな方のアオハル編再生スイッチをポチッとしてしまってるみたいです💨

>みみこびと(id:mimikobito)さん
ブクマでもありがとうございます。直球系のアオハルはシンプルにまっすぐ勝負だからの面白さがありますね✨

>ユウヨ(id:byte0304)部長
アオハルが一生懸命に生きた証!部長、それ名言ですよ😲人生で自分にスポットライトが当たるとき。周りどうこうじゃなくて、過去の自分を踏み越えられるか。おかげさまで今回は書いてみていろんな気づきがありました!



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【アオハル編⑫】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

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ブロ友りょうさん (id:ryousankunchan)のアオハルの話⬇
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そして、本編アオハル編での、これまで登場人物はこちら。



優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    気持ちは美咲に向いている
    琴子の気持ちは断った
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
   詩穂の気持ちが信介に向いていることに気付きだす
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい。
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい
   美咲に一目惚れ

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩
   幸次郎に告白したが片思い中だと言われる   
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   公也や勝矢の相談に乗っている
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に気持ちは向いているがうまくいかない
   信介と会う約束をしたことで、詩穂との関係が崩れる
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる
   最近美咲と別行動。


それぞれの思いや思惑が混じった中で、時間が進んでいました。
おそらくこのアオハルフィルムは、今回の話と次回、そしてあとがきで終わりとなります。長々とお付き合い下さいましてありがとうございました。




今回は、エピソード12。
彼の独白が始まります。
では、どうぞ。





12 幸次郎の独白 前編


 あの日、泣かせてしまった。
 たった4文字の、言葉を伝えただけで。




 
 その日の夜は、やけに電話がなった。
 それまで親友の優太からの電話はよくかかってきていたのに公也、勝矢からも電話があった。結局2人にも散々聞かれて、本当の気持ちを教えた。
 皆、口をそろえて、
「どうするんだ、伝えないのか」
と聞いてきた。


 先日の、淳美の後輩の1年生。
 彼女も
「それ、伝えるんですか?」
って。


 伝えないと伝わらない。
 それはわかっている。


 ただ、「伝える」というたったそれだけのことが、ずいぶんと難しかった。
 しかし、皆自分の思いを伝えている。優太はもう、1年の時に。



 誰かを思う気持ちっていうのは、これまでとは変わってきている。                     
 それとなく目で追っているときがあるし、話ができれば嬉しい。辛そうな表情を見つけると心配になるし、嬉しそうな様子をみると関係ないくせに自分の気持ちも明るくなる。
 なんというか自分の中でその存在が大きくなる。
 たぶん、それが「好き」という気持ちなんだと思う。
 ただ、それが強くなればなるほど「嫌われたくない」という気持ちも強くなっていた。
 

 相手が自分のことを思っている、とは限らない。
 それって、本当に奇跡なんじゃないかとさえ、思ってしまう。
 そして、奇跡というのは滅多に起こらないから奇跡なんだ。
 伝えても奇跡は起きなくて、打ちひしがれる。
 最悪、それまでの関係すらなくなってしまう。
 そんな姿を何人か見た。
 そんなことになるのなら、なんで伝えなきゃならないのか。
 

 また優太が言ってくる。
「あんだけ俺に言ってたのに、お前いつまでそのまんまなんだ?」
 

 この前の自転車置き場。
 あれは唯一のチャンスだった。
 目の前にいるのに、誰の目も気にしなくていいのに、声をかけられなかった。
 一言、
「おはよう」
と言うだけなのに。


 最低な根性なしだ。 
 そんなこともできないのかと、自分自身に愕然とする。でも、この程度なのかも知れない。
 何度もデジャビュが蘇る。いつまでこんなチキン野郎なんだ。このままはやっぱり嫌だ。


 もし、仮にもしも、伝えることができたとして、相手はどう思うだろうか。嫌な思いをするんじゃないか。挨拶もしないような冷たい奴だから。


 万が一、美咲も同じ気持ちに。
 なんて、なっているわけないか。それはありえないよな、絶対に。


 伝えないと伝わらない。
 それはわかっている。


 やっぱり、伝えてみようか。
 でも、どうやって?
 
 もし、というかたぶん、嫌がられる。
 その時は、謝るしかない。言われたことが迷惑にはなるけど、謝ってもう話さないようにすればいい。キツいけど仕方ないよな。


 電話でなら、謝ってすぐに切ればいいか。呼び出す必要もないし、人目も気にしなくていい。どうせ、ダメだから、さっと終わる方が美咲の迷惑にもならないだろう。
 
 






 笑われるかも知れないが、ようやくというか、やっとというか、決心がついた。よくいう、「俺は決めた」みたいなかっこ良い話とは程遠い考えから。


 迷惑がられるだろうとはわかっているけど、緊張は変わらない。受話器を持つ手に汗をかいている。呼び出し音が鳴っているときは心臓の鼓動がうるさくて、痛かった。
 家族が出て、こたらの名前を伝える。
 少しして、明らかに動揺している声が出た。


 大した用のはずなのに
「大した用じゃ、ないんだけど。」
と意味不明な切り出しをした。

 間が空いてしまって
「えっと」「実は」「あの」
とさらに続けてしまった。

 全て「うん」という返事が返ってきた。


 あ″~、そうじゃなくて、伝えたいこと。


「実は伝いたいことがあって電話した」

 少し間があって、「うん」という返事が、また返ってきた。






「好きです」

「ずっと前から美咲さんのことが」







 返事はなかった。




 少しして、鼻をすする音が聞こえた。






 風邪ひいたのか?
 そうだ、これは迷惑な電話だった。謝って切らないと。


「ごめん。大丈夫、風邪?」


「大丈夫」

「風邪じゃない」






 あかん、これは完全に自爆した。
 





 もう、切ろう。そう思った時だった。

「嬉しかった。絶対に嫌われてると思ってた」

 そうでしょう、嫌われてますから。
 え?今、なんと。




「ありがとう。私も実は…」


 







 あとは何を話したのかほとんど憶えていない。
 
 

 電話を終えて、さっき言われたことを思い出す。
 今は夢の世界か。

 そうしていると、すぐに電話がなった。
 優太が
「お前、いつまで誰と話込んでんだ!まさか美咲とか?んなわけないか。今日という今日は気合を入れ直してやる!」

「いや、そのまさか、だ」
と力なく答えると
「お前な、ウジウジせずにさっさと…。え?」
「だから、伝えた」
「マジで!?」




 経緯を説明して、憶えてる限りの話を言った。


「大丈夫、風邪?」
と聞いたところのくだりを説明すると爆笑された。
「お前、本当にわかってないな」
 ふわふわとした感覚は、急激に覚めた。それと同時に恥ずかしさと腹立たしさが一気に感情をかけ抜ける。




 これは現実だ。

 そして、奇跡というのは滅多に起こらないから奇跡なんだ。

 
13へ続く。

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幸次郎さん、なかなかでしたからね。高校時代出てきましたか?懐かしのシーンが蘇っていたら、そういう共鳴ってブログならではで嬉しいですね✨

>テイルズ(id:MyStory)さん
もどかしい状況でしたね、ほんとに。周りから言われるのは当たり前だと思いますね。実らない可能性もある中、どうするか。どれが正解なのかは、つまるところ結果論です。次回最終話。そしてあとがきで今回のお話はお開きです。

>ユウヨ(id:byte0304)部長
当事者にとってはまさに激アツ!部長もアオハル語られますか😁なんとかここまで来ました。りょうさんとのコラボもいよいよ終了です。なんとか書き上げます!



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【アオハル編⑪】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

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これまでの登場人物はこちら。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    気持ちは美咲に向いている
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい
   美咲に一目惚れ
   美咲と会う約束中

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   公也や勝矢の相談に乗っている
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に気持ちは向いているがうまくいかない
   最近詩穂と別行動
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる
   最近美咲と別行動。

さて、今回は、エピソード11。
11人目の事情です。

では、どうぞ。











11 琴子の事情




 先輩、いっぱい泣きましたけどもう大丈夫です。
 たくさん心配してもらってありがとうございました。


 幸次郎先輩と付き合ってみたかったなぁ。
 私、まだ誰とも付き合ったこともないのに、変ですよね。

 でも仕方ないんだと思ってますし、告白したことは自分の中でも本当に頑張った部分なので、何て言うかスッキリもしてるんですよ。なんかおかしいでしょ。

 私、自分で作ったクッキーをあんな感じで誰かに渡したのは初めてでした。あの時私は舞い上がってしまっていて、よくよく考えるとわかりにくかったなと思うんですよ。

 実際先輩の友人の絵美先輩が、後で
「多分びっくりしただけだと思うよ。あぁいうの、慣れてないみたいだから」
って、教えてくれて、
「そうだったんだぁ」
ってなったんですよ。

 ところで絵美先輩って、時々幸次郎先輩と一緒に帰ってたんですよね?なんなんですか、ほんとに。羨ましすぎるんですけど。


 ただですね、先輩。私、なんとなくダメなんだろうってわかってたんです。学年も下だし、幸次郎先輩からしたら私は全然知られていない。もともと、めちゃハンデがあるんですよね。
 何とかならないかな、って思いましたけど。


 1学期の半ば、先輩に届け物しようと2年生のフロアに行ったんですけど。
 階段から教室へ走って曲がり角曲がっちゃったんですよね。そこで人にぶつかってしまって。
 こちらが先に謝って顔をあげると、鞄を右手で持って肩にかけていた人が、上から見下ろしていて。
「怖っ」
てなったんですよ。だからもう一回謝ってしまって。すると
「大丈夫?ごめんな」
って声が上からしてその人いっちゃったんですよね。
 その後に会った先輩に聞いたら
「あぁ、幸次郎?気になる?おっ、いいところに目を付けたね。ウチの調査によるとなかなか評価高いよ。〇○中出身のサッカー部副キャプテン。1年の時に誰かが告ったらしいけど、ダメだったみたいでさ。彼女はいないね。ただねぇ、ほんと女子に喋りかけてるとこ見たことないんよね」
って言ってましたよね。先輩の調査、詳しすぎです。


 それで、同じクラスのサッカー部の子に話を聞いてみると、怖いとは真反対な反応ばかりで。だから、なんか気になりだしたんですよね。

 私が先輩のクラスに、ちょくちょく顔出し出すと、先輩に誰を探してるのかすぐにばれちゃいました。
 正直、先輩がいなかったら、ただ見てるだけで終わってたと思います。私一人だと、かなり気が小さいし。
 でも先輩がたくさん相談に乗ってくれて、たくさん話を聞いてくれました。そしてたくさん応援もしてくれました。
 だから私、頑張れたんだと思うんです。
 そういえば今まで聞いたことなかったんですけど、先輩は好きな人がいるんですか?

 え、いない?何でなんですか?
 あぁ、幼馴染。ここの学校にはいないんですか。なるほど。じゃあ今度私が、先輩の応援に回る方ですね。
 私、先輩みたいな先輩を目指します。

 え?真似しなくていいって?これはもう自分で決めたんです。だから気にしないでください。


 はぁ、だいぶすっきりしました。
 今日は、今日はありがとうございました。

 でも、やっぱり。
 

 先輩、正直に言います。
 やっぱりつらいです。大丈夫というのは、本当は、ちょっとというか、だいぶというか、嘘です。

 好きだったのになぁ。

 先輩には「ダメでした」しか言ってなかったんですけど、本当はもうちょっと話があって。


 先輩と練習した時みたいに、あの時私はちゃんと自分の思いを伝えたんです。
 すると、
「ありがとう」
ってなって、え?って思ったんですよね。でも、続きがあって
「でも、好きな人がいるんよ。たぶん、片思いなんだけどな。だから、ごめん」
ってなったんですよ。私は、やっぱりかぁ、ってなって涙堪えるの必死で。なんとか、
「ありがとうございました」
って伝えました。

 ちょっと先輩、何泣いてるんですか。また私も泣いちゃうじゃないですか。


 えっと、えっと。そうそう。
 ほんと、その片思いされてる人、めちゃめちゃ羨ましいです。だからじゃないんですけど涙声で
「それ、伝えるんですか?」って聞いてしまって。
 幸次郎先輩、困ってました。
「どうだろうな」
って。
 それからクッキーの時の話で謝られました。
「全然わかってなくて、ごめん」
って。絵美先輩の言った通りでした。
 それだけなんですけど、なんだかやっと普通に話ができた気がして。


 だから先輩、また泣くの止めて下さいって。
 かわいい後輩は何とか切り替えようとしてるんですよ。

 いつも、話聞いてもらってありがとうございます。
 明日からまた部活も頑張りますね。

 先輩の応援もしますから。

 じゃあ、電話切りますね。本当にありがとうございました。
 おやすみなさい。


12へ続く。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    気持ちは美咲に向いている
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい
   美咲に一目惚れ
   美咲と会う約束中。

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡し、後日告白したがダメだった。
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   公也や勝矢の相談に乗っている
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に気持ちは向いているがうまくいかない
   最近詩穂と別行動
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる
   最近美咲と別行動。

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想像と展開の差はいかがでしょうか。後もう少しのところまでやってきました。

>テイルズ(id:MyStory)さん
淳美先輩のスカウティング力は半端ないです。そしてかなりのビッグデータをお持ちでした。この手の方は、自分のことにはデータが以下サないという哀しい側面をお持ちです😅
さて、いよいよ大詰めでございます。千秋楽が見えて参りました。

>まっこおばさま(id:makkosan70)
全員出そろいました。なかなかかみ合わない思いが巡り巡っていまして😅どういう感じでいくか、インスピレーション中です。

>ユウヨ(id:byte0304)部長
なんだかこんな瞬間あったなぁ、という一幕です😁学校での曲がり角ってドラマがあるんですねぇ。


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【アオハル編⑩】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

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これまでの登場人物はこちら。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    気持ちは美咲に向いている
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   公也や勝矢の相談に乗っている
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に気持ちは向いているがうまくいかない
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる


これまでのエピソードは9を数えました。
残りいくつなんだろうというところ。
お気付きの方はこの「~の事情」があと最低あといくつあるかはおわかりなんじゃないでしょうか。

今回は、エピソード10。

では、どうぞ。









10 信介の事情




 正直、電気が走った。


 今まで何度かこの言葉を他人の口から聞いてきた。その度に

「なにを、アホらしい。そんなことあるかいな」

と馬鹿にしていた。
 しかし、その時の衝撃はホンモノやった。
 今まで馬鹿にしたヤツらに謝りたいくらいだった。




 2年になって、新しいクラスになった。
 文系、理系が別れ、クラス替えによって雰囲気はずいぶんと変わった。
 今回のクラスは垢抜けた子はいない。
 そういう人はちょっと苦手だった。

 クラスの女子を見渡して、誰かと仲良くなれるんやろか、と思う。彼女できたら、楽しいんやろな、と想像だけが脹らんでいた。

 中学が同じだった優太がいたので話をしに行った。優太は1年の時に同じだった幸次郎と一緒で、これまた同じクラスだった詩穂と美咲と話していた。

 
 その時が電気の瞬間だった。





 美咲は、詩穂とよく一緒にいるようだった。だから、詩穂ともある程度話せるようにならないといけない。いきなり話しかけて、としてみても無理だろう。
 だから、ちょっとずつ距離を縮められないか。そう思ってた。


 クラスには男前の公也と勝矢がいた。この2人とも仲良くなるのに時間はかからなかった。

 3人で彼女のいる高校生活の話をしていた。
 彼女ができたら、誰が一番冷たくなるか、なんて想像していた。馬鹿みたいな話だけど、こういうのってめちゃくちゃ面白かった。


 公也が詩穂のことを好きなことは気付いていた。直接聞いたときはやっぱり、ってなったし、公也も電気の話をしていて、めちゃくちゃ共感できた。
 ただ、自分の気持ちはまだ他の人に気付かれてはいけない。

 公也のためにも詩穂との間を持ちながら、美咲と話をできないかを自分なりに探っていた。





 2学期になった。

 あまり話しかけすぎて軽いやつとは思われたくなかったのでそこは自重してきた。普通に話をしている優太は正直羨ましかったが、中学以前の姿を知ってるので、昔からアイツはそういうやつだから、と納得している。


 美咲は正直、かわいいと思う。だから、誰かに告白されたりするんじゃないかと思っていたけど、どうもそういう感じには見えなかった。

 淳美情報を絵美から流してもらっている公也や優太が言うには、彼氏がいる子はウチのクラスにはいないらしい。
 にわかには信じがたいけど、でも案外そんなもんなのかも知れない。もしそういう風になってる人がいたら、すぐに噂って立ち上がってくるから。


 だから、俺にもチャンスはある。
 自分を磨いて、いざ、という度胸を持てるようにするんだ。




 体育祭が終わって、秋も深まり冬が見え出した。

 公也と勝矢が勝負に出だす、と言い出した。
 ここで公也らに言うべきか考えたが、思いとどまった。
 

 焦るな、タイミングは自分で見極めろ。
 

 公也と勝矢は見事に玉砕した。その落ち込みようは俺達の間の時だけ見せていて、本当に辛そうだった。俺ももしかしたらこうなるかも知れない。これは、キツいなぁ。

 でも上手くいくかも知れない。上手くいったら、最高だな。

 勝矢らを慰めながら、たくさん愚痴に付き合った。


 現代文の授業でおかしな展開になった。
 好きな人が友人とかぶったら。

 夏目漱石はその小説の中で、主人公に彼女をとられた三角関係の友人を自殺させた。なんでそんなことになるのかわからない。


 幸次郎は友人に譲ると言っていた。本心かはわからない。俺は、嫌だ。

 だから、当てられたとき
「僕は、自分の思いを優先させます」
と答えた。ある意味、これが、吹っ切れた瞬間だった。


 幸い、美咲の家の電話番号は知っている。クラスの連絡網に載ってたから。
 何度もその番号をみて、電話してみようか考えたことがあった。だからもう、それを見なくても憶えている。



 耳の奥に、コール音が鳴り響く。
 誰が出るかわからない。

 ガチャ、という音がして
「はい、〇○です」
と若い声がした。
 自分の名前を名乗り、
「美咲さんいますか」
と伝える。電話の向こうで階段の音がする。学校でよく聞いていた声が聞こえた、明らかに動揺して。

 いきなり電話したことを謝って、少し話をした。幸い無言になることはない。そして、できたら会って話がしたいことを伝えた。
 向こうはちょっと戸惑っている。だから、
「少し考えてみて、また明日電話する」
と伝えた。そして、電話を切った。
 おやすみを言うと、おやすみが返ってきた。


 翌日は朝から夜が待ち遠しかった。学校の授業も部活も一気に早送りして欲しい。
 そして、夜になった。

 電話をかけると、その日は最初から美咲がでた。
 何時くらいにかけるから、と言っていたのがよかったみたいだ。少し話をしてから、週末にどこかで会えないか聞いてみた。美咲は戸惑っていだけど、断られはしなかった。
 だから、週末に美咲の家の方の公園で会うことにし、電話を切った。
 今日も、おやすみが返ってきた。


 何事も、動かないと始まらない。
 電話をおいてから
「よっしゃー」
と叫んだ。


「アニキ、うるさい」
という声が聞こえる。
 しかし、そんな声すら今の自分には褒め言葉に聞こえた。


11に、続く。


優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    気持ちは美咲に向いている
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい
   美咲に一目惚れ

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   公也や勝矢の相談に乗っている
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に気持ちは向いているがうまくいかない
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる

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>まっこおばさま(id:makkosan70)
信介と幸次郎の運命はいかに。前回のお話の関係性に繋がってくるんです。

>テイルズ(id:MyStory)さん
終着点に向かって、一気に感が強すぎるかも知れません。次が最後の方の事情。そこからどうやって収めていくのか悩ましいところです。それぞれのキャラが生きてるので、自由にやらせてみたいなと、思います。

>ユウヨ(id:byte0304)部長
本当に全てを知っているからこそ、あぁだこうだと言えるんですよね。当時の彼彼女らは自分達のフィールドで一生懸命です。さて、この流れをどうしようかというところ。
次は最後の事情、です。


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【アオハル編⑨】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

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これまでの登場人物はこちら。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    気持ちは美咲に向いている
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に気持ちは向いているがうまくいかない
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる


今回は、エピソード9。

では、どうぞ。








9 絵美の事情


「おはよう!」

 野球部の朝練が終わり、絵美は制服に着替えてから教室に上がった。いつもだいたいこの時間になるのだけれど、だいたい友達は皆教室に来ている。

 教室の後ろの方では淳美を中心に香織らが集まっていて
「あ、絵美!おっはよー」
と声が返ってくる。野球部の部員らの低い声とは違う明るい声。
 教室に戻ってきたな、と思う瞬間だ。

 とは言うものの野球部マネージャーとしての感覚がなくなるわけではない。サッカー部の優太と幸次郎を見つけて
「昨日はウチの部員がゴメンね」
と声をかけた。外野へノックしていたボールがサッカー部の練習しているところへ飛んでいって、あわや直撃するとこだったのだ。優太は
「気をつけてよー」
と軽く返してくる。幸次郎は軽く手を上げて
「おぅ」
とだけ返してきた。
 サッカー部は何かと野球部に文句を言ってくるが、この2人に先に話をしておけば事態が悪化することはない。


 全く、こういうことをうちの部員もちゃんとやればいいのよ。


 絵美は、ため息をついた。

 昨日の帰り、幸次郎に
「同じ学年でマネやってる人いないから大変そうやな」
と同情されたが、こっちは好きでやってるので大丈夫だ。



 淳美の後輩が、幸次郎に何とか近づきたいという話が前からずっと話題に上っている。この前は、とうとう淳美が作戦を仕掛けて、クッキーを渡したのだが失敗に終わったようだ。
 幸次郎は1つ食べて、もういいって断ったみたいな感じだったらしいんだけど。
 それを聞いた香織は
「サイテー」
と怒っていた。

 すぐに「サイテー」とか「サイコー」とか言って本当に香織はかわいいなっていうか、女の子だなって思う。でも、この前の香織の話には驚いた。勝矢から告られたって話。

 普段から絵美は勝矢や公也らとよく話していて、勝矢にはそんなそぶりは感じられなかったのに。
 普段部員らと一緒にいすぎて、感覚が鈍ってるんかなぁ。


 淳美らが今後について意見をぶつけている。
「ウチはちゃんと伝えた方がいいと思うねんな」
と淳美が力説している。本当に人のことでこんなに熱くなれるって、なんだかすごい。この人のいい魅力だな、と思う。

「なんかびっくりしたって。」
と絵美は幸次郎から聞いた話を1つだけ入れといた。すると、
「びっくりって、おかしくない?ね、美咲ちゃん」
と香織が憤慨している。

 あ、今日は美咲ちゃん来てるんだ。

 絵美はそう思って、それとなくクラスを見渡した。教室の前の方で優太が詩穂らと話をしている。

 香織はまだ怒っている。一生懸命作ったものを受け取るのが男ってもんでしょ、って。
 うちの部員も女心わかってないやついっぱいいるから、同じように香織に怒られる子がいっぱいいるだろうな。
 絵美は思わず、フフッと笑ってしまった。

「絵美!ちょっと笑わないでよ」
「ごめんごめん」




 チャイムが鳴る。
 皆慌てて、自分の机に戻っていった。

 



 昼休み。


 淳美の周りの席の机が固められて、皆お弁当をだしていた。香織は放送室に行っている。絵美は買ってきていたパンを食べていた。
 今日はなんだか華やかだ。いつもは別で食べている美咲が一緒にお昼を食べている。もともとウチらのグループの子と仲いい子がいるんだけど、お昼を一緒に食べるのってそういや初めてだな。
 なんでだっけ?


 絵美はちょっと考えて
「ま、いいか」
と声に出した。
 隣で美咲が
「何か言った?」
と聞いてくる。絵美は笑って首を振った。





 放課後。


 絵美は勝矢に呼び止められた。
 隣に、公也もいる。
「ちょっと教えてほしいんけどな」

「何々?香織の話?」
「もう、ええっちゅうねん、その話は」

 勝矢はそう言ってくる位だから、ある程度吹っ切れたのだろう。絵美は、切り返しに笑いながら、

「それで」
と、話を促した。

「あのさ、あの2人、なんかあったん?」
「いっつも一緒におったのにさ」
と公也も続ける。
 以前に公也から詩穂の相談を受けていた絵美は、公也が詩穂の話をしているとことに気がついた。

「そういや、朝から美咲ちゃん来てたね」
と、普通に返すと
「だから、なんかおかしくない?」
と公也がまた言ってくる。

 おかしいって言ったって、ウチが教室入ってきたときにはもうあの状態だし。

「たまたまなんじゃないの?」
と返したが、公也は
「いや、絶対におかしいと思う。」
と力説している。公也によると今日あの2人はしゃべってないらしい。

 絵美はそれがわかる公也に驚いた。

「けんかでも、したんかな」
と絵美はつぶやいた。

「絵美も知らないってことは、女子もまだわからんわけや」
 公也と勝矢は、勝手に納得している。

 けんかってそんなことする理由なんかあるんかな。

 絵美は荷物をまとめながら考える。


 そこに信介が廊下から教室に入ってきた。
 信介は、部活にいく準備をしている。

 公也が
「おぅ、信介。そういや、今日はえらく嬉しそうやな」
と言うと信介は
「まぁな」
と返してきた。
 そして

「公也、勝矢。ちゃんとなったら話するわ」

 そう言って信介は、部活に行ってしまった。




 絵美は、公也と勝矢の顔を見た。
 公也と勝矢も、二人で顔を見合わせていた。


10へ続く



優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    気持ちは美咲に向いている
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に気持ちは向いているがうまくいかない
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる

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ブクマコメントありがとうございます!

>まっこおばさま(id:makkosan70)
どうなることやら、ですね。ほんとに。長々となってますけど、なんだか続きが書きたくもなるんですよ😁不思議な感じです。

>テイルズ(id:MyStory)さん
細かい描写のところで、音や香りまで読み取って下さいましてありがとうございます✨机の向きを変えてお弁当とか、ずいぶんと懐かしさを憶えましたよ😁

>ユウヨ(id:byte0304)部長
当時のアンテナは当時にしかなかったのかなぁ。いつの間にか退化してしまったような感覚さえありますね。こうして、四半期前とか言うとずいぶんと前な気がするんですけど、それでも記憶の中の様子は色褪せてないんですよね✨



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【アオハル編⑧】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。
こんにちは、ジローです。
いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!
おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。

ここのところ続いておりますアオハル編。
ブロ友りょうさん (id:ryousankunchan)のアオハルに触発されて始まりました。
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筆者のリクエストはBUMP OF CHICKENの「K」という曲。これがすでにもう公開されています。
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それがこちら。
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りょうさんのピアノの旋律を背景に本編は進んで参ります。
ですので、皆様ポチッと再生をよろしくお願いします🙇


これまでの登場人物はこちら。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    気持ちは美咲に向いている
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に気持ちは向いているがうまくいかない
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる


今回は、エピソード8。
では、どうぞ。





8 公也の事情


「思いってさ、何で伝わらんのやろうな」
 唐突に公也は勝矢に切り出した。
「ほんまやな、うまくいかんもんやな」
 勝矢は教室の窓からグラウンドの方を眺める。
 ちょうど陸上部がトラックの中で準備運動していた。
 信介が声を出している。


「でもお前はいいよな、香織はそれからも普通に喋ってくれるんだろ?」
「それはな。でもある意味生殺しやで。これ以上仲良くならんていうの分かってるわけやん」
「わからんよな、女心って。詩穂の好きな人って誰なんやろ」
「うちのクラスなんかな。優太とかかもな。割と仲いいし」


 教室の中は、思いが巡っている。
 伝わらなかった人。
 まだ伝えていない人。
 伝えたい人。
 伝えて欲しい人。







 現代文の授業が始まった。
 教科書の教材は、夏目漱石の「こゝろ

 なんでこんな時期に、こんな三角関係の思いが教科書に出てくるんだろう。
 普段は冴えない中年太りした現代文の教師は、学籍簿を持ちながら、順番に当てていった。揺れ動くヒロインの心境は女子に。三角関係の主人公ともう一人の心境は男子に。


「誰かを好きになるって、どういう気持ち?」
と香織に当てる。教室の廊下側となる正面黒板に向かって右手側。ここの一番前に香織は座っていた。
 戸惑った香織は、しばらく間をおいてから立ち上がる。
「友達以上の関係?です、たぶん」
と言に座った。

 公也は右隣の勝矢を見ると、勝矢は難しい顔をして香織を見つめていた。


「思いが伝わらないのはどういう気持ちだと思う?」

 うわー、こんなの絶対にこたえたくないわ。
 公也は教室の中央の一番後ろから周りを見渡した。
 皆、下を向いていた。

「公也君」

 しまった。時既に遅し。
 適当に答えようか。
 一瞬考えて、立ち上がった。

「たぶん、かなりキツいんじゃないかと思います。」

 何でこんなこと言わなあかんねん。なんや、今日は。
 自分でも何でそんな風に言ったのかわからない。振り返ってこちらをみていたクラスメイト達は、同情した表情をしていた。
 公也は顔を真っ赤にして着席した。

 公也の列の右隣の列の先頭に詩穂がいた。
 詩穂は振り返ってはいない。こんな姿は見られたくない。

 現代文の担当教師は解説しながら、じゃあ次は、とまた次の質問を繰り出そうとしている。

 一度あたった公也は、この教師の癖として1日に同じ人を2回当てないことを知っている。
 この恥ずかしい思いをした人だけに許された安心感。当たってない人間に続いていく恐怖感。

 普段の授業なら、適当に流していけるのに今日の内容は誰しも当てられたくない。

「じゃあ、同じ人を好きになったら、あなたならどうしますか。そうですね、たまには女子に聞いてみましょう」

 女子の顔が、えっ?となる。
 この教師の、たまにある変化球。

 こんなところで投げてきやがった。

 公也はそう思って、当てられて立ち上がった美咲に同情した。
「えっと、困ります」
珍しく美咲は返答に困っている。
「困りますよね」
と担当教師は助け船を出した。そして
「あと1人ぐらい聞きましょうか」
と言っている。俺達に疑問形で聞かれても、誰も答えないぞ。
「じゃあ詩穂さん」

 ビクッとした詩穂の背中がゆっくりと立ち上がる。

「ちょっと、わかりません」

「そうですか、難しいですよね。じゃあ男子に戻りましょう。」

 担当教師は、学籍簿を見ながらまだ当てていない生徒を探していった。



「じゃあ、幸次郎君」

 皆が一斉に振り返る。公也の2つ左隣となる一番後ろの角の席に座っているからなんだろうけど、たくさんの顔がこちらから見えた。
 幸次郎は立ち上がって
「友人に譲ります」
と答えた。幸次郎はさっと座ろうとする。クラスがざわっとした。
「君は本当にそれでいいのか?」 
 珍しく担当教師は2球目を投げた。イスをひく音がして、幸次郎が立ち上がる。
「それでいいです」
と無表情に答えていた。担当教師はなんだか納得がいかないらしい。それでもう一人当てることに、したようだった。

 廊下側の後ろの角の席の信介が立ち上がる。皆の顔が一斉に反対に向いた。

「僕は、自分の思いを優先させます」
 信介の回答にクラスがまたざわめく。

 現代文の担当教師は、その回答に満足したのかまた解説を話し出した。
 


 公也の前に座っていた美咲がちらりと左を振り返った。
 公也はつられて左を見た。

 隣に座る淳美の向こうで、幸次郎が窓の向こうを眺めていた。


9へ続く。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 
   美咲の親と自分の親が知り合い
   女子と気軽に話が出来るが恋愛遍歴は複雑
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
    気持ちは美咲に向いている
公也…帰宅部で硬式テニスやっている
   勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
   淳美らと仲がいい
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい、面倒見がいい
   琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい
   幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
   幸次郎に気持ちは向いているがうまくいかない
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる

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ブクマコメントありがとうございます!
>みみこびと(id:mimikobito)さん
いやいや、さすがに書籍化には耐えませんよ😅でも、お褒めのお言葉ありがとうございます🙇後ろから風を送りまくってもらったおかげで、こんなにも話が膨らんでいきました。あぁ、どこまでいくんやろう。

>テイルズ(id:MyStory)さん
こちらでもありがとうございます!彼はニュータイプではありませんが1日だけ限定で強化されたに違いありません。見えたんですよ、きっと。しかし、先生は最終的にヒロインの親に話をして縁談をまとめ上げ、友人は自殺するという展開の小説を思春期の学生に教えるって、どうなんでしょう。確かにまっすぐな気持ちはわかるんでしょうけど😅

>AKI(id:aki800)さん
ありがとうございます!宴もたけなわって、いつ?って感じですよね。字数にもよるんですけどすでに長くなりすぎてます。この後の展開の皆さんの想像と本編の展開がどう裏切られるか、なんですけど、まさに事実は小説より奇なり、です😅

>まっこおばさま(id:makkosan70)
盛り上がりを見せられてますか?自分ではそこまでの想像がいかなくて。後何話になるかなぁと考えながらの毎日です。訪問を減らして、せっせと作成を進めてます😥

>ユウヨ(id:byte0304)部長
入りの部分をほめていただきましてありがとうございます。この部分はなんだか光景が見えたんですよ。両手を投げ出して窓に顎のせながら、二人でグランドを見る様子。自分でもここは気に入ってまして、そういうところに気付いていただいてめちゃくちゃ嬉しかったです。


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【アオハル編⑦】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

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りょうさんのピアノでの曲まで、時間がかかってますが、せっかくの機会なのでもうアップしました。このピアノの旋律を背景に本編を走って行きたいと思います。
ですので、皆様ポチッと再生をよろしくお願いします🙇


さて、これまでの登場人物はこちら。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
淳美…吹奏楽部 香織と仲がいい、面倒見がいい、琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい、幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる


今回はエピソード7。
では、どうぞ。





7 美咲の事情

 自分の部屋の机の上に、美咲は手帳を広げた。
 中にはびっしりとプリクラが貼られたページがつづき、見開きで一週間の横書きのダイアリーが現れる。
 そして美咲はこれまでの自分が書いてきた日記をパラパラと見た。
 学校での出来事などを記したカラフルな自分の字。その時々の感情が色となり、それが所狭しと埋まっている。
 ペンの色を選び、美咲は思い出してため息をついた。そして、今日の欄に普段と違う大きな文字をアルファベットで4文字だけ書き入れる。

 美咲は少し思い出した。そして、手帳を両手で勢いよく閉じた。
 閉じたはずなのに、なぜだかその文字が見えてくる。



 BLUE

 青ペンで書いた、この4文字。
 美咲は、その4文字を手帳と一緒に鞄の奥へとしまった。







 1年の時から同じクラスだったのは、親友の詩穂と親が知り合いの優太と、優太の友人の幸次郎ら数人だった。優太は時々話をしてくるが幸次郎が話しかけてくることはない。でも、優太がいろいろと話しかけてくれ、時々幸次郎と話すことができた。

 クラスの女子は何組の誰々が格好いいとか、ウチのクラスなら一番格好いいのは公也かなとか、そういう話が聞こえてくる。
 なんだか、淳美や絵美らの話の勢いは早くてすごいなと思うけど、その雰囲気はとても楽しい。仲のいい詩穂と
「淳美ちゃん達ってすごいね」
と笑いながらよく話していた。
 クラスはいくつかのグループに分かれてるのが普通だけど、ウチらのクラスはそういう垣根がなくて、本当によかったって思う。


 この前詩穂からびっくりする話をされた。
 公也から告白されたって。
 
「えー」ってなって、それでという話を聞いたら
「私信介君が好きだから。好きな人がいるからって言ったよ」
と詩穂は恥ずかしそうにそう言った。美咲はそれにまた驚いた。

 信介は陸上部。1年の時は別のクラスだった。
 普段は公也や勝矢とよく一緒にいる。
 部活が終わり、校舎からグランドを見渡すと、信介が1人黙々と練習していた。
 そう言えば詩穂はあの時グランドの方を見つめてたっけ。


 最近になって淳美らは何か作戦のような話をしている。その話を絵美に聞くとブラバン部の後輩の子が幸次郎に近づきたいって。
 それを聞いて思いを伝えようとする姿勢が眩しくて、でもなんだか複雑な気分になってしまった。
 詩穂は、たぶん気付いてる。だから、うちらの間で普段淳美らの話も話題に上るのに、この後輩の子の話はほとんど上がってこない。

 淳美や香織らの話はキャーキャー言いながら盛り上がっていた。
 その時、
「うそー!?」
と言う声が聞こえてきた。
 絵美が、幸次郎と一緒に帰ったって。
 確かあの2人は同じ中学だったな。
 仲、いいんだ。


 淳美の後輩の子の話は、連日続いている。
 とうとう世話を焼いている淳美から
「美咲ちゃんらも協力してよ」
って頼まれた。
「そうだね、詩穂」
と笑って答えた。詩穂も咄嗟に笑顔で返していた。
「よーし」
と腕をまくるそぶりを見せた淳美が香織らの元へ戻っていく。向こうで絵美が、昨日も帰りが一緒だったという話をしていた。


 部活が終わって帰るときに、香織と会った。香織は詩穂に今日の作戦がうまくいかなかったことを伝えてきて
「ねぇ、なんかひどくない?」
と言っていた。詩穂は
「そうなん」
と話を合わせている。香織が先に帰ってから詩穂が
「残念、だったんだね」
と言ってきた。そうは言うものの詩穂は残念そうな表情を見せていなかった。


 次の日の朝、いつもの時間に学校に着いて、自転車置き場に自転車を駐めた。荷台にくくりつけた鞄を解き肩にかけようとしたとき、向こうで自転車が駐まる音がした。
 ふと振り返ると、幸次郎がサイドスタンドを立てて、荷紐をとこうとしていた。
 美咲は目が合う前に振り返りは下駄箱に向かって歩き出した。どう見ても、周りには誰もいない。


 声をかけられるかな。
 歩くのが早くて抜かされるかな。
 その時に挨拶してみようか。
 

 下駄箱で上靴に履き替える。
 でも、距離が縮まることはない。
 もしかしたら、という思いがよぎる。


 教室が近づいてきた。
 やっぱり、そうなんや。うん、絶対そう。


 モヤモヤとした思いは、教室に到着してしまって確信になった。

 私、嫌われてるんや。


8へ続く。


優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい 香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
淳美…吹奏楽部 香織と仲がいい、面倒見がいい、琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい、幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる




ブクマコメントありがとうございます!
>みみこびと(id:mimikobito)さん
りょうさんのリメイクすごいです!こんなにしてもらっていいんでしょうか😅ずいぶんと練習してもらってると思うんです。2回も記事にあげていただいて感無量ですっ✨

>まっこおばさま(id:makkosan70)
だいぶ刷り込みが完了してきましたでしょうか。りょうさんのピアノの旋律をいただき、珠玉の輝きを放つかのようです。

>テイルズ(id:MyStory)さん
BLUEに込められた思いは推し量れないです。儚くも切ないこういう思いを、なぜこの頃にするんでしょうね。大人ではなかなか感じられないもの。だからかも知れません、何かを思い出しながら追ってしまうのは。

>ユウヨ(id:byte0304)部長
共感ありがとうございます!ちょっとした向きを変えるだけでずいぶんと違った話になりそうなのになんなんでしょうね。応援団ありがとうございます。





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【アオハル編⑥】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

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りょうさん (id:ryousankunchan)の企画記事はこちら
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筆者のリクエストはBUMP OF CHICKENの「K」という曲。一度記事が公開されたのですが、再度引き直して撮り直してくれました!
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その曲がこちら。
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なんだかとても贅沢です✨
りょうさんのピアノでの曲のエピソードまで、時間がかかってますが、このピアノの旋律を背景に本編を走って行きたいと思います。
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これまでの登場人物は

優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
淳美…吹奏楽部 香織と仲がいい、面倒見がいい、琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい、幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる

でした。
 では、今回はエピソード6を、どうぞ。








6 幸次郎の事情


 目の前に、知らない後輩がいた。
 両手にクッキーの缶を持って、こちらに差し出している。さっき、淳美に呼ばれてなんとなくついていった。
 するとこの光景だ。この人は誰で、なんで俺なんだ。
 彼女は
「これ、食べて下さい」
と言ってきた。圧倒されて、1つつまんで
「ありがと」
と答えた。ただ、なんか悪いな、って思って。
 すると彼女はみるみる表情を変えて、後ろを向いて走って行った。
 渡り廊下は、風が吹いていた。


 幸次郎は、いわゆる高校デビューだった。中学からサッカーを始めたが、最後までスタメンは掴めず、必然的にクラスでも目立つ存在とは程遠かった。
 高校になると、たまたま中学の時の知り合いがほぼいなくなった。だからといって、デビューしたいなんて微塵にも考えていない。デビューというよりは、リセット。そのままサッカー部に入った。
 同じクラスで部活も同じになった、優太という親友ができた。あいつとは性格も違うのに妙に馬が合った。

 高校2年になり、彼氏彼女の話がよく出てくるようになる。ただ、自分は優太のように軽く女子に話が出来ない。だから、あいつがいろいろと話をする様子を見て、羨ましく思っていた。


 1年の時に同じクラスの女子から夜に電話がかかってきて告白されたが、家の電話が黒電話だったのと、リビングにあったせいで、家族に会話の内容が聞こえないように小声でなんとか断るのが精一杯だったことがあった。
 この話を優太にすると、
「お前は誰が好きなんだ?」
となった。当時気になっていたのは同じクラスの美咲で、冷やかされるのを覚悟して言うと真面目に受け止められた。
 優太は、既に好きな人がいてあいつなりに努力していたが、その子は最終的に同じ部活の人を選んでしまった。
 そして2年になり、その彼氏と俺たちはクラスメイトになってしまったので、優太の心境はかなり複雑だったはずだ。優太が吹っ切れたかはわからない。しかし、それもまた仕方のないこと。その彼氏ともう一人を含めて俺達は高校生活を楽しんでいくようになったのだった。


 2学期になり急にクラスがざわめきだした。正確には、クラスの男子が動き出した。一度勝矢と公也に誰が好きなのか聞かれて、適当にはぐらかした。彼らの意中の人がかぶっていないかを聞いてきたみたいだったので、そこは違うと伝えた。冬が近づいて来ているので頑張ろうぜと言ってくる。いやいや、男前の君らとは全然違うから。


 美咲は相変わらず詩穂と一緒にいる。優太がたまに間に入って話をしてくれるが一言二言話をしてその場を離れてしまう。あとで決まって優太に言われるが、直視することができないのだ。それをわかってる優太のからかいが、妙に腹立たしい。
 最近、野球部の絵美と帰りに話すようになった。帰る方向がある程度一緒なのと、やたらと話しかけてくるのと。
 何日か帰りが一緒になり、絵美が意中の人はいるのかと核心をついてきた。
 なんでそんなに皆聞いてくるんだろう。


 優太に、
「知らない後輩からクッキーを食べてくれと言われてさ」
という話をすると、やたらとそのシチュエーションを聞いてきた。かくかくしかじか、まぁこんな感じの、と説明し、
「それでお前どうしたの?」
と聞かれたので、1個もらってありがとうと言うとどこかへ駆けていったと伝えると、頭を抱えてため息をつかれた。

「お前、それ最悪やわ」
と優太は言い、その子はお前に気があるぞ、告ってきたらどうするんだと問い詰めてくる。
「それは困る」
というと、
「お前って本当に自分のことわかってないな」
と呆れられた。



 うちの高校はほぼ全員が自転車通学だった。ある日の朝、自転車置き場に自転車を駐めようとしたときにクラスのスペースに1人先客がいた。美咲だった。
 少し空いたスペースに自転車を駐めると、向こうは先に鞄を持って歩いて行く。ここで優太なら肩でも叩いておはようと言うに違いない。しかし、そんなこと出来るはずもなかった。
 ただ、周りには誰もいない。教室に入ってしまうまでのこの少しの間だけが話しかける唯一のチャンスだった。おはようさえ言えばいい。たった、それだけなのに。やたらと、心臓の音がやたらとうるさい。

7へ続く。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
淳美…吹奏楽部 香織と仲がいい、面倒見がいい、琴子を応援したい
琴子…吹奏楽部 淳美の後輩、幸次郎にクッキーを渡す
絵美…野球部 淳美、香織らと仲がいい、幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友、信介に思いを寄せる


ブクマコメントありがとうございます!
>まっこおばさま(id:makkosan70)
このうるさい心臓の音が伝わりますか😁ありがとうございます!登場人物の広がりはもうないと思います。

>みみこびと(id:mimikobito)さん
この人の出番がやってきました。まだ出てきていない人もいます。広がりがなかなかですけど、こう、なんていうか進んでいってしまうんです😅

>テイルズ(id:MyStory)さん
リアルに少し盛っている部分がありますが、そこは想像の世界です。あぁ、もう、っと言って優太がいたなら背中を叩いて押してるかも知れません😅こんな感情がある世代ってずいぶん前だなぁ、とおもいますね😁

>ユウヨ(id:byte0304)部長
自転車置き場の出会いなんて、なんだかとてもローカルですよね。しかし、当時の話となるとやけにしっくりくるというか✋







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【アオハル編⑤】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

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ここのところ更新中の、アオハル編。
surrealsight.hatenablog.com
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今回もその続編です。

このお話はブロ友のりょうさん(id:ryousankunchan)の
https://yukiichihimenitaro.shop/entry/piano-aiko-hanabi-200-aniversalyyukiichihimenitaro.shop
にリクエストをしたことで生まれたお話。
これがすでに記事になり公開されています。
https://yukiichihimenitaro.shop/entry/K-BUMPOFCHICKEN-PIANO-HIITEMITAyukiichihimenitaro.shop
そしていただいた曲はこちら。
youtu.be
ですので本編に入られる前に、ポチッと再生をよろしくお願いします🙇


ちょっと登場人物が増えてきたので少し整理を。

優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい
   詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい
   香織に告白するも…
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい

香織…放送部、勝矢に告白される
淳美…吹奏楽部、香織と仲がいい
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友
   信介に思いを寄せる

今回はまた少し人が増えます。


では、エピソード5を、どうぞ。












5 淳美の事情

「そういうことならな、ウチが一肌脱ぐしかないやろ」
 吹奏楽部、通称ブラバン部の後輩琴子から相談を持ちかけられた。どうやら、淳美と同じクラスの幸次郎のことが気になるらしい。一個下の彼女が、幸次郎のどういう部分に惹かれてなのかは、わからない。
 ただ、最近ことあるごとに、淳美の事を羨ましいと言っていたのはこういうことだったのか、と納得した。

 同じクラスの幸次郎は、サッカー部。ウチらブラバン部とは、すれ違うこともない。校舎はワンフロアが一つの学年になっており、学年が違えばそこですれ違うこともない。
 ウチらのクラスには、公也や勝矢、信介達のグループと幸次郎や優太らのグループがある。他のクラスからキャーキャー言われてるのは公也達のような気がするけど、優太と幸次郎押しもウチらのクラスにはいる。
 優太とはよく話をするけれど、幸次郎が女子と単独で話をしていることはそう言えば見たことはない。
 確か、1年の時に当時同じクラスだった人が告ったという噂を聞いたっけ。ちょっと香織に確かめとこう。

 ウチが把握している限り、ウチらのクラスで彼氏彼女がいるのは一人だけ。だから、他のみんなは誰とも付き合ってないはずだった。
 
 淳美は香織らと作戦会議をする。
 全然接点がないのに、いきなり言ったのでは無理なんじゃないか、という話もあり
「何かを渡そう」
という作戦になった。会話は何を渡すかでキャーキャーしている。キャーキャーして、まとまらない。

 数日して、同じグループの絵美が思い切った行動に出た。
 絵美と幸次郎は元々中学が同じ。そして、絵美は野球部のマネージャーをしているため、サッカー部と接点があり、部活が終わる時間も似たようなものだった。
 絵美は帰りに時々1人で帰る幸次郎に会う。だから思い切って声をかけてみたようだった。

「うそー、一緒に帰ったん?」
素っ頓狂な声が上がり、途端会話が色めきだつ。何だという表情で数人の男子がこっちを見ている。
 絵美の好みは年上だったので淳美は幸次郎が絵美の圏外であることはわかっているが、香織達はまたキャーキャー言い始めていた。
 絵美は数日かけて探りをいれていたが、幸次郎のガードは固かったようだ。ただ、これまで誰とも付き合ったことはないらしい。
 
 うん?そう言えば。
「香織、そう言えばこの前勝矢に声かけられてなかった?」
「さすが淳美、あなたアンテナ張ってるわね」
「私を誰だと思ってんの?」
と笑いながら返す。
「えっと、告られた」
「え″!?」
 あなた、今なんと?なんでその後も普通なわけ?もしかして。
「ごめんなさい、してきた」
「うっそー!!」
「あんたって子は」
 周りにいる友人達も、口をそろえる。
「だってさ、考えたんだけど好きってまだよくわかんないんよね。今は私稲葉さんラブだから」
 皆、あっけにとられている。
 B'zの稲葉さんってあんた、そこは絶対に届かないところでしょ。


 作戦はクッキーを焼いてきて、渡そうということになった。淳美がそれとなく幸次郎を呼び出し、待ち受けていた琴子がそこから話をする。呼び出す場所は、渡り廊下。
 淳美が作戦通り幸次郎に声をかけた。
 さりげに誘い出すのも成功した。
「ちょっと後輩が話をしたいって」

 淳美はその場を立ち去った。
 後輩の成功を願って。
 渡り廊下へ続くドアを締め、ドアの向こう側を想像する。
 どうか、うまくいきますように。


 すると、バタンと急にドアが開いた。
 琴子がクッキーを入れた缶を持ち、涙を溜めて立っている。
「受け取って、もらえませんでした」
 後輩は走り出した。
 淳美は混乱しながら、その姿を追いかけていった。

6へ続く

優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 絵美と中学が同じ
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい、詩穂に告白するも撃沈
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい
   香織に告白するも撃沈
信介…陸上部、勝矢、公也らと仲がいい


香織…放送部 勝矢に告白されるが振る
淳美…吹奏楽部 香織と仲がいい、面倒見がいい
琴子…淳美の後輩 吹奏楽
絵美…野球部 幸次郎と中学が同じ
美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友
   信介に思いを寄せる


ブクマコメントありがとうございます!
>まっこおばさま(id:makkosan70)
登場人物の広がりはそろそろ終わりです😅後は矢印があっちむいたりこっち向いたり。図で書いてたらいいかもしれないのですけど、ちょっと考えてみます。

>テイルズ(id:MyStory)さん
そうです、おっしゃるとおり完全に実話ベース。想像で書いてる部分はかなり少ないのです。ほんとこれだけ手に取るようにわかっていれば、なんですけど😅いい意味で予想を裏切れたらいいんですけど、どうでしょうかというところです😁

>ユウヨ(id:byte0304)部長
ゆる~くいって、ズバッと内角をえぐってきてます。セオリー通りというところでしょうか。こんな時もあったんですねぇ。ほんとセピア色の話がきらめいてます。


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【アオハル編③④】カタカタと回り出した、アオハルフィルム

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。
こんにちは、ジローです。
いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます!
おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。

前回から書き始めた話。
surrealsight.hatenablog.com
今回はその続編です。

このお話はブロ友のりょうさん (id:ryousankunchan)の
yukiichihimenitaro.shop
にリクエストをしたことで生まれたお話。
これが昨日筆者がこのシリーズを始めたことで、コラボが生まれました。
yukiichihimenitaro.shop
もう、早速記事にしてくれてまして、筆者としては感無量であります。アレンジ効いててすごい。
youtu.be

しかし、このKというBUMP OF CHICKENの曲がこちらのシリーズで出てくるのはまだ先の話😥しかし、せっかく記事にも曲の提供もいただいたのでアップしました。
ですのでぜひ、ポチッと再生をよろしくお願いします。
りょうさん、ありがとうございます🙇
そして、りょうさんをご存知ない方、この機会にご訪問してみて下さいませ。
この方は人を引き寄せる素敵な魅力をお持ちです✨

では、ピアノの旋律をいただきながら本編に戻ります。
今回はエピソード3、から。
では、どうぞ。
















3 詩穂の事情
 びっくりした。急にあんなこと言われて。
「何だったん?もしかして告白されたんじゃないの」
と親友に言われて、素直に頷く。

「えー」
と口を押さえて驚く親友。当然その先の話を聞きたがっている。詩穂はまだ誰にも言っていなかったが、陸上部の信介に思いを寄せていた。
 それを親友に伝えると、またその答えに親友が驚く。

 クラスの男子と話すことはあまりなかった。
 勝矢や幸次郎の親友の優太が話しかけてくることはあったが、自分から積極的に話しかけるということはしない。それは親友の美咲も同じ。

 このクラスの女子は、吹奏楽部の淳美を中心に1つのグループがあり、詩穂と美咲はそのグループと適度な距離を置いている。決して仲が悪いわけじゃなく、休み時間に話をするのは美咲であり、一緒にお弁当を食べるのも美咲というだけで。
 この前香織から話しかけられて好きな人の話になったけど、いないことにした。たぶん驚かれるし、理由を聞かれると困るし。
 
 1年の時に同じクラスだったのは幸次郎や優太とか数人で、後は2年から同じクラスになった人たちばかりだった。
 その中に信介がいる。

 信介は、周りの子がキャーキャー言うようなタイプの男子ではない。ただ、考えがしっかりしていると言うかそういうところが詩穂には見えていて、惹かれていったのだ。
 告白してくれた公也には本当に申し訳ないけれど、ちゃんと言ってくれたことに対して嘘はつきたくなかったのだ。
 
詩穂…美術部 美咲と親友
   公也から告白されるが断る 信介に思いを寄せる
美咲…美術部 詩穂と親友
淳美…吹奏楽部 香織らと仲がいい 世話焼き好き
香織…放送部 淳美らと仲がいい
   勝矢から告白されるが…

公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい
   香織に告白するも…
信介…陸上部 公也、勝矢と仲がいい
幸次郎…サッカー部 優太と親友
優太…サッカー部 幸次郎と親友


4 優太の事情
「公也と勝矢が玉砕したんだってさ」
「そうなんや」
さして驚かない幸次郎に、優太は話を続ける。1年の時から部活も一緒になった幸次郎とは性格も違うけど妙に馬があった。
 それでサッカーの話をしたり、将来の話をしたりするようになった。二人ともなんとなく将来教師になりたいと思っているところがあり、2年になって文系の数学選択をした。
 だから、何かにつけて同じになることが多い。

 優太は1年の時に好きだった子がいたが、その子には彼氏ができてしまい、その時は随分と幸次郎に話を聞いてもらった。

「そう言うお前はどうなんだ」
と幸次郎に聞くが、幸次郎はなかなかはっきりとしない。
 以前に幸次郎から美咲の名前が出てきたことがあった。たまたま優太の両親と美咲の両親とが同じ職場だったようで、優太は美咲達と話ができる。
 なんとか間に立って、幸次郎が話をするように仕向けてみたが、一言二言話してどこかに行ってしまう。
 こちらに対しては
「あぁしたらいいんじゃないか」と言うくせに、自分のこととなると途端にダメになる。

 幸次郎はそんな対応しているのに、意外と美咲は笑っていたりした。美咲に本音を聞いたことはないが、優太の中では、美咲は幸次郎を悪くは思ってないみたいだ、という感触があった。


優太…サッカー部 幸次郎と親友 美咲の親と自分の親が知り合い
幸次郎…サッカー部 
公也…帰宅部で硬式テニスやっている 勝矢、信介と仲がいい
勝矢…バレー部 公也、信介と仲がいい
   香織に告白するも…

美咲…美術部 優太の親と自分の親が知り合い
詩穂…美術部 美咲の親友
   信介に思いを寄せる

5に続く。

ブクマコメントありがとうございます!
>まっこおばさま(id:makkosan70)
ネタばらし段階ではないのですがそろそろわかってくると思われます。楽しみにして下さりありがとうございます🎵

>テイルズ(id:MyStory)さん
恋に恋する、いやぁこっぱずかしいんですけど、彼、彼女らは大真面目。まっすぐな、気持ちが直球で胸を打つんですよね。こんな時期あったなぁと、みてもらえるとありがたいです。

>AKI(id:aki800)さん
人数多いので説明は必須かな、と。
前に書くと書く内容に制限が少しかかるので後ろに置いてるんですけど、仮称なので自分も間違えがないか点検しながらという面もあります。
私についてはもうお気付きのはず😅

>ユウヨ(id:byte0304)部長
ありがとうございます。そんな風に言って下さると書いてよかったのかなと思います。
そしてこちらは書いていきながら、広がって行ってるんでどうしようかな、と思ってます😅


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