ジローの部屋

ジローの部屋

日頃の生活に、何かプラスになることを。

ツッコミと、コーヒーと

最近またちょくちょくと更新してはいるものの、ご無沙汰してしまっているブロガーさんもいらっしゃり、お元気にされているかなと思ったり。

かく言う筆者も最近こそまだアップしているものの、全然な時は全然なわけで。

また、その方達の更新が見られたら、いいなと。


さて今回は、筆者の仕事のスタンス、を少し話そうかと。


では、どうぞ。









仕事をしていると様々な事案が舞い込んでくるが、その中には

難しいもの
簡単なもの
時間のかかるもの
すぐにできるもの
評価されるもの
評価対象じゃないもの
現場向きのもの
本社内部の報告のためのもの

などといったものがある。

それを人は、時に選んだり、時に否が応でもなく受けたりして、それをこなしていく。

誰しも、難しいとかややこしいとか時間がかかるものには手をつけたくないものだ。


先日、クレーム処理案件があり、山のような資料がついていた。
クレームを申し立てている人も、なかなかの言葉遣いで一筋縄ではいかない感じ。

そういうものを人は敬遠しがちだ。


筆者のいる部署はそれらの対応も業務の一環でしなければならない。だから、舞い込んでくる案件を選別することなく対応していく。


山のような資料を読み進めていく。
こういう人が嫌がる仕事をしているときに、筆者はよく幽体離脱のような考えをする。

状況を俯瞰して、
「あんた、大変やな」
と一人でツッコミを入れて、コーヒーを飲むところから始める。

で、そこから人の嫌がる仕事ってところに

『ちょっと面白そう』

と感じてしまう。
それは、やり方が確立されていないからか、難しいと思われるところにやり甲斐を見つけているのか。


で、そこからそれに取りかかっていく。



そんなことをしているから、なかなか元々持っている仕事が消えていかないのかも知れないが、なんやかんやとやりながら現場を向いてさばいていく。


見向きもせずに、手をつけなければいいのかも知れない。
無理ですと言って、他人に振ればいいのかも知れない。

でも、そうすると現場が止まったまま。
自分がそこで苦労したから。
聞いても明確な回答もなく困ったことがたくさんあったから。


幸い、筆者は他人が嫌がるようなことを『面白そう』と思ってしまうメンタルがある。

ある意味、頭おかしいんだけど。


そんなこんなの、年の瀬。
世間はもう、クリスマス。

夕方は毎日『今日という日が終わっていくー』とこぼさずにはいられない。






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>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
いやいや、わかりますよ!ラストクリスマスにクリスマスイブ😆けっこうBGM的に耳にしますから🙋
>まっこおばさま(id:makkosan70)
周りの引きようがやる気に繋がったりしています🏃💨経験値をためて能力を高めて対処能力を上げていきたいです✨
>ユゥヨ部長(id:byte0304)
実は鋼のメンタルを持ってるんです😆打たれまくったので、ヒットポイントが赤でギリギリ耐えることが出来ます笑
>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!
テイルズさんも遭遇体質笑
アンタ、何でそんなややこしいのを受けてるの、ってよく言われるんですけど、まさかのテイルズさんもだったのですか😆
こんな同士がいたとは笑
面白そうとさえ思ってしまえばスイッチ入ってくるんですよね😆

祝日の、昼下がり

どうもご無沙汰しています。
あったかくなったり、寒くなったりの季節の移ろいですがいかがお過ごしでしょうか。
筆者はせっせと毎日を捌いております⚔️


さて、今回は、先日の祝日の居合わせた信号待ちでの一コマを。

では、どうぞ。























朝。


その日神戸は、阪神オリックスの優勝パレード。


歩道を歩いていると、法被や思い思いのユニホームを着込んだ老若男女が、所狭しと集まってきていた。
そして、大勢のイベントスタッフと警備員と警察官。

普段は見慣れない、異様な街の様子だった。



道すがら、立ち止まっている人が何人もいた。

買い物に行こうとして来てみたらとんだイベントとブッキングしていて、通れる道を聞く人。
友人の結婚式とバッティングして、時間を気にしながら会場のホテルまでのコースの交通規制を聞いている人。
子どもの英検の会場近くの、通行できる駐車場を探している人。


近くに立っている警察官やスタッフに聞いて、なんとか対処されているようだった。









昼時。


午前に阪神のパレードが終わり、たくさんの人が移動している。人の動きは大きな波となっていて、そこに違う方向へ向かう矢印は飲み込まれそうになってしまう。


とある交差点で警備員と警察官が似たような制服をきて警備をしている。
警察官は笛を吹いて、歩行者が赤信号無視で渡らないようにしていた。


そこにピンク色の阪神のユニホームを着た保護者らしき女性と、黄色のユニホームを着た子ども二人が、並んで信号待ちをしていた。


すると、赤い棒を持った警察官がその女性に声をかけてきた。
「パレードは見られましたか?すごい人でしたけど」
ビクッとしたその女性は、不意打ちを受けたのか驚いた表情をしていた。しかし、警察官の顔を見て
「見れましたよ」
と表情を作り直して応えていた。
警察官は
「いいですねぇ、うらやましいですねぇ」
と言うと、それを聞いたからかその女性は表情を崩し
「最前列で見られたんです!」
とちょっと前のめりになって続けた。
「私、関東から来てて、始発で。めっちゃよかったですよ。いっぱい見れました」
「そうなんですか!朝早くから頑張ったかいがありましたね!よかったですねぇ。この人混みですから、早朝からは本当に賢明でしたね!」
と警察官が返している。


女性は子どもと三人で、監督や選手がどんな感じで見えたのかというやりとりをしている。
警察官は少し腰をかがめながら、うんうんと頷いていた。
そして、反対側の歩行者用信号が点滅に切り替わると、手を上げてその女性に断ってから

『ピッ、ピッ、ピー』

と笛を吹くと、周りの警察官と警備員が一斉に赤い棒を横にして

「信号が変わります」

と声をかけだした。



人の流れが遮られ、そして信号が切り替わり、停まっていた方の流れが動き出す。



警察官は道路の方へ踏み出して、手を広げ
「どうぞ、お気をつけて、お帰りください」
と言って、その親子に会釈した。

「ありがとうございます!」
と言って母親が崩した表情で返す。そして、親子3人は駅へと向かっていく。

女性は子どもと、とても嬉しそうな様子だった。


そんな、祝日の昼下がり。
ほんの2,3分の、出来事だった。





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surrealsight.hatenablog.com


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>まっこおばさま(id:makkosan70)
そうなんです、和んだ小さな幸せ✨
こういうの、いいなって思いましたよ。

>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
記録よりも記憶に😊いい思い出に華を添えた感じというところでしょうか。
優勝セールはあちこちでやってますよ。全く行ってないんですけどね😅
ヴィッセル神戸もJリーグ優勝したので神戸は盛り上がってます。

>テイルズ(id:MyStory)さん
おっしゃるとおり、嫌われるだけの仕事じゃないですね。災害のときなんか、自衛隊、警察、消防なしでは、ままなりませんし。
思い出に添える華✨時間が立ってその部分を忘れても全体的によかったなって思える思い出になる華。こういう仕事は、本当にいい仕事だなって思います👮

>Chocola (id:A-hanoi) さん
何気ない日常や不意に遭遇した出来事を、お話風に語りかける。ある意味これがこのブログのテーマのようなところ。情景が伝わってよかったです😆
彼のようなちょっとしたオモテナシと言いますか、そんな感覚を持ち合わせたいなって思います✨

一点ずつ、一文字ずつ

今回は、打ち込んだもの、の話。


では、どうぞ。













youtu.be
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誰しも、あのときこうすればとか、こうしていればとか、そういうものがあったと思う。
当時のことを考えれば今の未来は何か違ったものになっていたかも知れないと。

普段はそんなこと考える暇なんてなくて、毎日をこなしていくだけだけど、ちょっとしたトリガーがひかれたときに、あの光景が動き出す。

人によってそのトリガーはまちまちで、流れる音も、流れていく光景も、そこに見える世界の色も違っている。

影があったり、音飛びしていたり、一部欠落していたりも、するのだけれども。

ただ、共通することは、ちょっとしたトリガー。そのきっかけを感じると、ふと、そっと、急に、ふわっと、それぞれの感覚で、その物語は動き出す。

まるで、フィルムのように。

【アオハル編①②】カタカタと回り出した、アオハルフィルム - ジローの部屋

そして、筆者の場合のそれは、りょうさん (id:ryousankunchan)が弾いてくれたBUMP OF CHICKENの楽曲だった。





福祉関係のお仕事をされている青い眼鏡 (id:m6points) さん。
彼は点訳ボランティアやガイドヘルプをされていて、筆者の上記過去記事を点訳するという、すごい作業にとりかかられた。

元々はコラボ企画から生まれたこの話。
何人かの登場人物がオムニバス形式ででてきている。

彼は1つのエピソードに1つの楽曲を選んで、点訳を進められておられました。

その期間、なんと1年間((((゜д゜;))))
コツコツと一点ずつ、一文字ずつ打ち込みをされて、とうとう先日完成!
m6points.hatenablog.jp

この記事を訪問して頂くと、一年間の時間が、一冊の分厚さに!
っていうところを目の当たりにすることに。

しかも、それぞれのエピソードにちなんだ写真画像が入った表紙もあり、製本されている!





筆者はもう、感無量でありました(T^T)

青い眼鏡 (id:m6points) さん、本当にありがとうございました🙇
貴重な時間を込められたものの重みを、画像越しではありますがしかと受け取りました。

これから、またお師匠さまのお手合わせなど、楽しみにしております🙇





さて、読者の皆さんの、フィルムを回すトリガーは、どんな曲だろうか。
その一曲は、今の時代、蜘蛛の巣状に張り巡らされた電子世界の中で、きっときっとすぐに見つかるはず。

そして、その楽曲の詩を追うと、もしかしたら気付いていなかった新たな世界が広がるかも。


そんなひとときを、お楽しみあれ。




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>noriko (id:non704)さん
本当にものすごい時間を頂きました。今の時代とは通信手段の違う世界の話が、点字というツールを通して果たしてどれだけ伝わるのか、また感じられるのか。束にすると、ほんとすごいですよね😲

>まっこおばさま(id:makkosan70)
そうですね、おばさまはよくご存じですね😆
点字をタイプする音がどんなのかわからないんですけど、これもカタカタと鳴るのかな、なんて思ったりします。

>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
いや、ほんとすごいですよね😲
13話くらいあって、あとがきもあって、ですから一体何文字分なんだろうと。

>ますを (id:tureture30) さん
Kのパンチ力は半端なかったです。そのストーリー性といい、カリスマ性といい、どうしてこんな詞が書けるのだと😲
りょうさんの奏でる音は、なかなか癒されます✨このきっかけでこの話が生まれました😆

>テイルズ(id:MyStory)さん
お帰りなさい!まさに、物語が人を動かす状況でした✨本当にかなりの根気が必要なものです。有り難いというキモチと有難うという感謝😆この紡がれたご縁はプライスレスでしたよ😊

>Chocola (id:A-hanoi) さん
はてなの世界の素晴らしきブロ友さんのおかげで、なんともいえない化学反応となりました✨
選んでいただいたことも、弾いていただいたこともとても有り難いものでした😆

平行線を、断ち切るには

10月は今年前半と比べれば5本記事を書くことが出来て、ブロガーさんの記事にも少し顔を見せることが出来ました。
やはり、文章を読むことも、書くこともできるだけやりたい。
とは言うものの、あっという間に日は経つもの。

今回は、流れを断ち切るには、という話。


では、どうぞ。








一時増えてしまった体重は、食事を見直し、コンビニに行く量をかなり減らしたことで一定の効果を見せた。

増えた分より少し減った分が多い位の体重になり、ベルトは締めていく穴がなくなってしまったので、少し緩みがある。

この緩みが出来てから、体重は減少曲線が平行線になってしまった。この流れを断ち切るにはどうしたらいいか。








これは裁ち切るしかない。







ということで、バックルを外して四センチ程ベルトを裁ち切った。




ベルトは1つ穴があまり、キュッと締まる。
少し、姿勢がシュッと伸びる。

流れは変わった。

また、1つの余裕を攻めていく。




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>noriko (id:non704)さん
勝って兜の緒を締めよ、となれば最高なのですが余裕をかますと容赦なくリバウンドします😅
断固たる決意、を固めたのです(笑)

>まっこおばさま(id:makkosan70)
体重管理をしっかりやって、もう少し落としたいです。ただ、運動をやる気力と体力が夜には枯れてしまっています😨

>テイルズ(id:MyStory)さん
お帰りなさい!
本当は、ガンガンいこうぜ!と行きたいのですが、調子に乗ると後で痛い目に逢うのでその辺にしときました✨✨

>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
消費カロリーはけっこうな量とお見受けしますが、食事がきっと美味しすぎるんでしょうね😆

空にある何かを、見つめてたら

皆様、ご無沙汰してます。
最近、出来ていなかった読書をしようと思い立ち、図書館で借りたハードカバーを二冊程読んでおりました。

この流れはなかなか想像出来ないな、とか先にどういう組み立てをして書き出しているんだろうかとか、そんなことも考えつつ。

1人時間をそれで費やしていたので、はてなの世界は久々、となりました。




さて、今回は、ちょっとした夜のキリトリ、の話。


では、どうぞ。


















昨日、子どもが寝てから芝生の水やりをしていた。
田園が広がる町から街中に移り住んで久しいが、当時南の方に見えていた鉄工所の赤い光はなく、街明かりがある。
また、学生時代を過ごした田舎町ような澄んだ空に満天の星は見えず、空はくすんだような表情で明るい星だけが見えている。


ちょうど、昨日は満月。

月明かりが広がっていた。



満月の近くに、いつもはない明るい星がある。
その星がなんていう名前の星なのかは、筆者はわからない。



水やりをやり終え、スマホを見るとラインが一通届いていた。
寝たはずの中一女子からだった。


何か連絡事項があったのかと、少し慌てて確認してみると

「満月の隣に木星が見える」

と。

ググると、ちょうど月と木星の接近が…っていう記事がたくさん出てきた。



もう一度外に出て、空を見る。
満月のとなりに、まだ星が輝いている。

youtu.be
(ポチッと再生をお願いします。MVはイントロまでにストーリーがあるので、The First Takeから)



「空にある何かを見つめてたら
それは星だって君が教えてくれた」


脳内で優里の「ベテルギウス」が流れ出す。
見えてるのは「ジュピター」なんだけど。


でも、まぁいいか。






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>Pちゃん(id:hukunekox)さん
ユーチューブの通常再生リストの中に入っていてよく聞いていたんです。
イントロとラストに出てくるこのフレーズがめちゃくちゃ好きなんですよね。こんな余韻を残せる文章を書けたらなって😆

>まっこおばさま(id:makkosan70)
おばさまもFirstTakeを聴かれるんですね。今はたくさんの曲に触れる機会があって、世界が広がりますね✨曲に乗せての記事をまた書いてみたいです😊

>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
不意打ちでした😅めったにメッセージ来ないんですけどねぇ。何を思ったのか。それだけにインパクトがありました✨

>noriko (id:non704)さん
けっこうヘビーローテーションで聴いてます。ドライフラワーよりも個人的には気に入ってます✨イントロのこの歌詞がパノラマの風景にいざなう感じがしまして😆

>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!
警察ものを2つほど読んでいたんです。私のものは刑事ものではないのでちょっと違うんですけど。組み立ての仕方は気になりますねぇ。伏線を敷いて、それをちゃんと回収してって😊
ラインはメッセージ見て、メロディが流れてきました✨

>Chocola (id:A-hanoi) さん
これがベテルギウスなら、完全にドラマのようでしたね😆予想にもしていなかったので、ちょっとしたサプライズ。なんだか温かな気持ちになれました✨
こんな粋なメッセージは今までなかったし、そもそもメッセージ自体もほとんどきたこともなかったんですけどね😅

>ユゥヨ(id:byte0304)部長
いやぁ、たまたまこういうシチュエーションがはまっただけですよ😅記事の構成は考えはしてるのですけれど、勢いでサッといくこともしばしばあります🏃💨
部長、忙しそうですね。無理しないでくださいね。

「成長」っていう、もの

今回は、子どもの運動会、の話。


では、どうぞ。















 表現演技の練習が始まって、パートが決まってから、毎日夜に倒立の練習をしていた小5女児。

 全学年二クラスしかない小さな小学校の、6年との混成での表現演技は、コロナ前は組み体操が定番だった。
 しかし、コロナ後のショートプログラムになってからは、組み体操の要素と音楽に合わせた表現演技が合わさった構成に変わっていた。

 ダンスは得意とする彼女も器械体操的要素の倒立は、これまでやったことがなかったのか自信がないらしかった。
 だから冒頭よろしく布団などで練習し、受け役として付き合うことにしていた。

「足を上に突き上げる感じで」
「真上からゆっくりと受け側に倒れる感じで」
「手の位置はこの辺で」

と話ながら、毎日何回か試技をして、彼女が納得すれば終了する。

 本番までの練習では、うまくいったり、うまくいかなかったり。
 なので、これでOKという確信までは持てないが、前日にはある程度のイメージが出来てそうな表情をしていた。




 本番。

 最近耳にしたことがある楽曲が流れ、演技がスタートする。小さな四角の画面の中心に彼女を捉える。
 まずはリズム感のような項目で、そこからアンテナ、ブリッジと一人演技の組み体操項目をこなしていく。

 楽曲の節目でサッと移動し、2人組に。
 向き合って、全体の半分が手を上げて、全体の半分は両足を開いて、2人組の倒立態勢に入った。
 各ペアの片方が倒立をしていく。
 バシッ、バシッと両足をキャッチしていく音が響いていく。

 昨日までの練習のように一呼吸してから上げた両手を地面についた彼女の身体は、逆立ちで停ま、

らなかった。

 あっという間に前方へ倒れていき、ドサッという周りと違う音がした。小さな四角の画面の中で、驚いた表情をしてから2回「大丈夫」というような口パクが見えた。直接見ると笑って次の動きの位置へ移動しているところだった。

 その後も5人組になり、フィナーレへの動きを行っていく。小さな四角の枠の中でどこか気丈に振る舞っているかのように見えるその姿は、キメのポーズをとって全体挨拶をしてから入退場門へ消えていった。



 自宅に帰ってきた彼女は、号泣した。
 足の痛みと、悔しさと、情けなさとで。

 「あの時こうしておけば」はいらなくて、ゆっくり話を聞いて枯れるのを待つ。

 そして、しばらくしてそれが枯れると彼女は
「ちょっといい?」
と言い出し、やり直しの倒立をすることになった。
 昨日までと同じように、真剣な眼差しになり一呼吸置いて両手を上げる。そして、上げた両手を勢いよく床につくと、バシッと両足が受け止められた。

「よしっ」
と言って、血が上った赤ら顔で彼女は頷いた。
 そこにさっきまでの泣き顔は、もう、ない。


 これが、「成長」っていうもの、なんだろうな。


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>まっこおばさま(id:makkosan70)
悔しさや悲しみを吐き出してぎゅっと丸めて、もう一度倒立をやり直した姿は、大したもんだなって思いました。
こんな瞬間は中々立ち会えませんよね。踏み越える力です✨
>ちまりん(id:chimaring)さん
あの失敗したままのイメージで終わらせたくないなって思いましたが、本人もそう思っていたみたいです😲テレビで彼女の贔屓のアイドルグループが挑戦した1つの競技で、必死に練習してきたけど大会本番に失敗してしまって、スタジオでお世話になった講師を呼んでリベンジしているのがあったのですが、そういうのも少なからず影響しているのかもです😊
>Chocola (id:A-hanoi)さん
我慢していたんですよね、やっぱり😣顔を見るなり堰を切ったかのように泣いてました。やっぱりキツいよなぁ、目立つよなぁ、って。
でも逆立ちやり直すときは、もうキリッとしていて😲おぉ、乗り越えたって思いまして。
「小さな四角の画面の中」という表現、ここを拾って頂いて、流石Chocola (id:A-hanoi)さん😆
単にビデオカメラから目線をあげると、としたくないところでした✨
>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
踏み越えた先に広がる世界を自力で見ることが出来るって、凄い力ですよね。教えてもらうもんじゃないような😊失敗した記憶は消せませんが、切り替えられる力を見ることが出来ました✨
>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!おぉ、タンスで😲私も小さい頃はやったのを思い出しました。丸い取っ手に踵がぶつかって、イテッみたいな😆
人の成長って凄いですね。仕事を教えているときにも思いますけど、こういう成長ってはぐれメタル級じゃないかなって思います✨✨

追い風の、通り道

今回は、ちょっとした整理、の話。


では、どうぞ。














思い立って、カバンの中身と、 職場の机周りを片付けた。

カバンの中の、毎日読まない本と、雑然と入った小物類。
職場の机の上の、不要な書類と毎日使わない並べられたチューブファイル。

これらをガサッと片付けて、毎日使うものだけ鞄に入れ直し、毎日使うものだけ机の上に配置し直した。



あれもこれもと、やらないといけないことはあるけれど、身体は1つ。

並列に考えずに、順番をつけて縦に並べる。
やることをポストイットの付箋に、ゆっくりと筆ペンで書いて、スタンドに貼り付ける。


目の前に出来ないことや、やるべきことを並べすぎず、見た際の無言の圧を、物理的に消していく。


そうすると、筆ペンで書かれたリストが、不思議と重たくは見えない。

脳の出力が少し上がったかのような錯覚も。





スペースが、生み出すもの。
それは消えかけた火を扇ぐ、風の通り道。




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>まっこおばさま(id:makkosan70)
だんなさん、キッチリとされていたのですね🙋家のことは任されて、仕事のところは、みたいにスイッチがあったのでしょうか😆
>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!それって、無性に衝動が駆られるやつですね😆こんな時に何してんのって言われるけど、大事なんですよねぇ😊
>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
ほんと、だいぶ変わります✨そして、それまで何でこうしなかったんだろうってちょっと後悔もしますね😅
>Chocola (id:A-hanoi)さん
スペースが出来てスッキリすると、なぜか心もスッキリするのは不思議です😊まだ28℃でしたもんね👕冬がくるまえに、秋を楽しみたいですね😆

三角気味に書いて、溜めをつくる

今回は、久しく忘れてしまっていたこと、の話。


では、どうぞ。











いつの間にか、 字はさっさと書くものとなっていた。



目の前にいる小五が、「す」という字を、漢字練習帳の分割された四角の枠の中に収めていく。

彼女はちゃんと「す」という字の真ん中の丸の部分で、 三角気味に書いて、 溜めを作り、鉛筆を最後の払いに向けて流していく。

そして他の字も、筆づかいのように緩急をつけて鉛筆で書いていく。 字を書くことにリズムがある。

字をきれいに書くように意識して、 文章を書いたのはもうどれくらい前だろう。

とめ、はね、はらい。

そういや今はそんなものはなく、書き順すら怪しい字がたくさんある。



書く量よりも打つ量の方が多い今日この頃。

ペースを落として、丁寧に。




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>まっこおばさま(id:makkosan70)
めっきり減りましたよね。でも、これはけっこう大事なことなんじゃないかと思うんです。意識して字を書いていきたいなって🙋
>noriko (id:non704)さん
子どもは元気よく字を書いたり、丁寧にバランスよく収めたりしてますよね。なんだかそういう初心を忘れてるなぁって。自分も意識して書いていこうと思います👮
>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
そのメモの字もなんだかひどくで自分でもたまに読めなかったり😨原点回帰で、鉛筆書きを取り戻してみるかですね。
>アキロッソ・ウサピリカ(id:akirosso)さん
そうなんです、パソコン打ちの方が俄然に楽で、いろんな字体があるので雰囲気も変えられて。
このアナログは、大切にしたいところですね✨
>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!個人的にあのカタカタという、タイプライターの音は好きです。ボイスメモは使ったり、使わなかったり。
心の余裕はもちたいです😅
>temahime (id:temahime)さん
打つ方が多い時代は、ここ数十年での大きな変革。あまり書かなくなったからこそ、その丁寧さは際立つように思います🙆
>ユゥヨ (id:byte0304)部長
部長、お忙しいところありがとうございます🙇
タイトルは文章がほぼ出来上がって、読み返すとこの部分が、という感じで出来上がりましたよ。
>Chocola (id:A-hanoi)さん
アナログ派であること、ところどころ記事で拝見しております😆とても優しい感じが伝わってきています✨✨

一呼吸の、滞留

ご無沙汰しております。
最近は徹夜後の体力回復が全然進まない、ジローです。

さて今回は、帰りの電車での一コマ。


では、どうぞ。














最寄り駅で電車が停まり、人の波が降りていく。
波は改札口へ向かい、縦列で進んでいく。
そして、改札へ向かう5段くらいの階段の手前で波は一呼吸置くかのように踏みとどまり、また流れていっていた。


その一呼吸の滞留は年齢も、性別もバラバラの数人で構成されている。
そして、皆、 ペットボトルを持っていて、残りを飲み干し、ゴミ箱に投函していた。

彼、彼女らは、 毎日どこかの駅で、コンビニで、自販機で、それを買って持ち合わせている。
そしてこれまでは帰るまでになくなっていた水分が、ここのところの気温の変化で、補給の進みが鈍くなったんだろうか。

ただ残ったものを、 持って帰ってもゴミになるだけで、 だから飲み干して捨てる。

そういう、一呼吸。







あぁ、秋か。



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>まっこおばさま(id:makkosan70)
どんなときでも、ふと立ち止まって俯瞰できる心意気を持ちたいです。おばさまも寒暖の差に気をつけてお過ごし下さいませ🙇
>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!
もはや、何気ない一コマをいかに描写するかに価値を見出しているレベルでございます🙋
それを見落とさないように、忙しさでまひしないようにしていきたいです😅
>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
10月はもう半ば。今年もあと2ヶ月半ですよ😨めちゃくちゃ早くないですか😨
>Pちゃん(id:hukunekox)さん
日々の癒しに、温かい飲み物を。そして、それをハニーズの峠茶屋セットで嗜む✨✨✨あぁ、いとあはれなり。
>temahime (id:temahime)さん
顔を上げて空を眺めて、立ち止まって花を愛でる😊どんな状況でも自分ペースへのリセットのトリガーとして、これらのことができればなって思います✨
>Chocola (id:A-hanoi) さん
ヴェトナムはまだ28℃!?まだまだ半袖ですね😲電車通勤の波は、日本ならではなんでしょうか😊

お値段以上の、いい仕事

今回は、昨日の一コマから、短いお話を。


では、どうぞ。










夕食の食材を買うときに並んでいた、228円。
中秋の名月ということに気付かせた、228円。
けんかしている子どもの泣き顔を笑顔に変えた、228円。
その存在だけで3人の子どもの夕食をサッサと終わらせた、228円。
夕食が終わり誰が黄色を食べるのかじゃんけんをさせた、228円。
中身のこしあんが3人をほっこりさせた、228円。

お値段以上のいい仕事をした、228円。

その他大勢とラックに並んでいた、228円。

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>まっこおばさま(id:makkosan70)
関東は曇だったみたいですけど、関西からは見られましたね🌕
久しぶりに、いい時間を過ごせました。スーパーの何気ない228円のおかげで😆
>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
いい仕事って目立ちませんか?全然違う職種でもこれはって思うものを見つけるとなんだか嬉しくなるんですよね✨
>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!
黄色の団子はきび団子とはまた違った力がありました✨たまたまの巡り合わせ。これに気付かないときもあると思うんです。だから気付けたのでいい日だったんだなって🙆
>Chocola (id:A-hanoi)さん
なんとなんと、そんなに奇遇なおめでたい数字だったとは✨✨この嬉しさの共鳴は、また嬉しさが増しますね。
こんな小さな幸せをまた見つけていけたらなって思います😊
>ユゥヨ(id:byte0304)部長
はたしてこの団子は高いのか、安いのかっていうところが陳列棚での一コマで、そこから尾ひれはひれとなっていきました。
こういう構成も面白いですね😆
>Storyteller (id:black-orchid)さん
それはそれは丸い笑顔がありましたよ😆
なかなかのオシゴトをした228円をたたえる記事になりました✨

変わるところと、変わらないところ

朝夕はずいぶんと秋の匂いが関西にも届いています。
ご無沙汰しております、ジローでございます。

さて、今回は変わるところと、変わらないところの話。


では、どうぞ。














小学生の頃、友人と当時はまっていたミリタリーもののプラモデルを買いに、姫路まで電車で出かけたことがあった。
ネットもなかったその時代、特定の店を知っている訳でもなく、単純に大きめの町だから、その街は神戸よりも近いから、という理由だけで行ったように思う。
家にあった黒電話で友人宅に電話して、待ち合わせをして。

人の流れに乗り駅を出ると、世界遺産に登録された頃の姫路城まで向かう商店街が、口を開けて人を吸い込んでいる。ここを友人とブラブラしながら何気に店を探し、お目当ての店がもう城に着くんじゃないかという北端の方にぽつんとあるのを見つけた。

わざわざそんなところまで行って、というこじんまりさ。
それでもまぁ、目的は達成できたので当時の筆者たちは満足し、どこかで昼ご飯を食べよう、となった。
で、また商店街をうろうろし、たどり着いたところはマクド(マクドナルドのことを関西人はマックとは言わない)だったと思う。たぶんそれが人生初の子どもらだけでの外食だった。



運動会の代休を友達と遊ぶという中一女子。
めったにない平日休みをフル活用すべく、友人とUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に出かける計画を立て、LINEで連絡を取り合っている。
普段そんな時間には起きない五時台に、これもまたうだうだすることなくさっと起きて、六時には自転車で友人宅に出て行った。

その日、筆者は仕事を終えて家に帰ると、中一女子はまだ未帰宅。
近くまでは帰って来ていて、友人らと晩ご飯を食べにいっているようだった。
帰ってきてどこで夕食をとったのか聞いてみると、マクド
他にも店はいくつもあるモールに寄ったみたいだったので、友達とだけの初めての外食なだけにせっかくなのでもっといいものを食べればよかったのに、という話になった。が、当の本人は月見バーガーを食べたかったらしく、それで満足だったらしい。



月日はまた、繰り返す。
変わるところは、変わって。
変わらないところは、変わらなくて。



ご訪問ありがとうございました。
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>まっこおばさま(id:makkosan70)
そうです、あれから30年(笑)マクドの値段は倍ぐらいになりましたがまだまだ身近な入口になっている安定感です😆
>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
明石は商店街を知らなくて、三ノ宮は当時はまだ広すぎて、姫路の御幸通りがいちばんなじみやすかったんですねぇ😅
>Chocola (id:A-hanoi)さん
あ、Chocola (id:A-hanoi)さんも外食デビューはマクドナルドでしたか。これ、けっこうたくさんの方がそうなのかも知れませんね。メニューがわかってある程度の値段もわかってどうやってそこでたべるかもわかるし😆懐かしの思い出ですね!
>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!
30年の時を掛け合わせてみました🙋こういう文章を立体で読み解く力がテイルズさんにはありますよね😆マクドナルドは値段は変わるも、子どもの入口としては不変ですね。

仮想球場、超満員

さて、今日は 個人的なことを少し。

ちょうど 本日、このジローの部屋は、 開設からの3年という月日を通過いたしました。
これまで、延べ53000人程の訪問をいただきました。近くの甲子園球場であれば、超満員でございます。


このブログ自体を始めた初めた頃は、まだ仕事にも余裕があって、 自分と向き合う時間があったのですが、特に3年目はカツカツになってきて、 更新もままならなくなってきました。

そんな中でも、 こうして足ならぬ、指を運んで訪問してくださる皆さんのおかげで、なんとか4年目を駆けていくことができそうです。

多分これからのこの1年は、また仕事の異動もありそうで人生どうなっていくかわからないというところ。
その時々に来る波に乗りながら、 なんとか船を漕いで行こうと思います。


ここの部屋は、誰かに何か響けば、というところがコンセプト。
船の針路から、そんな波紋が広がればいいな、と。

どうぞ皆様、四年目のジローの部屋とのお付き合い、よろしくお願いいたします🙇



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>なる(id:narutabi)さん
広い海原です。あるときは白夜に、あるときはオーロラを奏でるような、そんな世界をのんびりと漕いでいきたいです🙆
>明月(id:a91n52)さん
1年先輩ですね✨マイペースに表現できる場があることはいいことですね!またよろしくお願いします🙇
>noriko (id:non704)さん
私もお邪魔してたくさんの気付きを頂いております🙋時々ほっこりするようなそんな記事がまた書けるように、日々の生活で流されないようにしていきます💨
>トラリブ(id:tra_live)さん
人の、特に他人が他人にする優しさを目の当たりにしたときに、それをなんとか伝えたくて、スケッチするように描写する✨これがここの部屋のコンセプトかも知れません😆
>Storyteller (id:black-orchid) さん
心躍る作品を作る、なかなかハードルを上げてこられましたね😆何気ない一コマを綴り続けていたら、また1つのお話が浮かんできそうに思います。もう少し頻度を上げて記事を書けるように頑張ります💨
>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
次の呼ばれているところは現場の役に立てるのか微妙なところなんです。部の管理部門といいますか、そういうところなんです。しかし声がかかるうちが華でしょうか😅今のところの仕事もしっかりとやっていきます。
>ちまりん(id:chimaring)さん
パステル君のような癒しはありませんが、ふわっとしたものを感じられるような記事を書けるように、日々の感度を上げていこうと思います😆
>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!荒波はなかなかのもので転覆しそうにもなりますけど、都度強化が施されていっているような、そんな感覚です😅最後のご武運を、って響きました✨
>だるころ先生(id:darucoro9216kun)
お忙しいところ、ご訪問下さりありがとうございます。私もはてなの世界でよく存じております😆またお邪魔いたします🙇
>まっこおばさま(id:makkosan70)
お越し下さりありがとうございます🙇
ペースはかなり落ちましたが、四年目も視点を大切に進めて参りたいと思います。どうぞよろしくお願いします✨

チョコレート色の、笑顔

皆様、ご無沙汰しております🙇
前回記事からはや二月が経とうというところ。
筆者はなんとかやっております。

今回は、短いお話を少し。


では、どうぞ。









「足、ポッキーみたいやな」

足首から膝上まで日焼けした足を見ながら、長女が言う。
腕や顔には日焼け止めを塗っているようだが、猛暑の日差しを完全にブロックは出来ない。
そして、足はほぼノーガードだったみたいだった。


4月1日という希有な日に生まれた彼女は、学年で一番最後の誕生日。
だから周りと比べると小さくて、小学4年くらいまでは背の順で一番前は定位置だった。
運動も得意ではなく、体力もからっきし。
外でほぼ毎日遊んでいた親とは対照的で、少し歩くとすぐに疲れたと言う。


そんな彼女が、中学に入って何を思ったのかソフトテニス部に入った。

この炎天下の中、土日に練習や試合がある日は朝早くから、時にお弁当をもって出かけていく。
そのためか帰ってきてから、電池切れを起こしたかのようにだらけているのだが、元々のスペックを考えれば続いているだけで大したものだ。


ようやく、日焼け止めと体温調節のためにアンダーウェアを買ってもらい、なかなかご満悦のポッキーJr。
その笑顔は少しチョコレート色。


気を止めなければ、どんどん成長していく。
時々、その一瞬に目を向けて。



ご訪問ありがとうございました。
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ご無沙汰していたにも関わらずたくさんのコメント、ブクマコメントをありがとうございます🙇
>まっこおばさま(id:makkosan70)
ここのところ時間の流れが早すぎて、本当にあっという間です😅その瞬間に気付かなかったら、その次はだいぶ先になるんですよね。台風それたので、また晴れの日が続きそうですねぇ😓
>相続コンサルタント (id:egaosouzoku)さん
若い頃は小麦色がよかった訳ですけれども、今の事情は違いますからポッキーJrは複雑な心境をみせています😅
帰ってきてからの電池切れはデザートを食べるときだけ自力回復します笑
>noriko (id:non704) さん
日々の成長になかなか目が届かない毎日ですけど、noriko (id:non704) さんのようなこういう気付きを大切にしたいです✨
男の子の身長は六年あたりからまたぐっと伸びますから、気がついたら見下ろされてたってなるのでしょうね😲
>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!こちらこそ、ただいま、ですね😅さすがのコメント密度🙆
夏が終わってしまいます、春も一瞬に、夏も一瞬に…💨タイトルはこの文章作っている最後に出てきました。たまたまポッキーと絡めて、かつティーンエージャーの甘さが表現できる言葉になりました✨
>Storyteller (id:black-orchid)さん
どこのテニス部の子たちもポッキー仲間ですか笑最近はUNDER ARMOURの影響で、どの競技でもずいぶんとインナーを取り入れているスポーツが増えてきました。このポッキーも時代とともに汗の塩味だけが残るプリッツへと変化するのかも😅
>ウサピリカ(id:akirosso) さん
私たちの時は30℃越えはってニュースになってたのに、今は体温超えですからね😨ほんとこんな中でやってる今の子らはすごいです!
北海道は過ごしやすくなってきてますか?関西はムシムシとしてるんですけど、朝夕は少しましになってきましたよ✨
>Chocola (id:A-hanoi) さん
一昔前の小麦色が今はチョコレート色ですね笑この話を書き終わって読み返した時にふっと、「その笑顔は少しチョコレート色」が出てきました。これで、どこか足りなかったものがハマった感覚になりました✨
2つ前の記事に読み切りの短編を上げてます。またお時間あるときにでも、どうぞ。

【読切短編小説 あとがき】あじさいの、すべりこみ

 今回は、
surrealsight.hatenablog.com
のあとがき、ということで。
 かなり久々にも関わらず、たくさんの方にお立ち寄りいただきました。
 また、記事としてはかなり長文となったものを最後まで目を通して下さり、
 本当にありがとうございました。

 さて、あとがき。
 では、どうぞ。








1 きっかけ

 今回の短編は、りょうさん (id:ryousankunchan)の
ryousankunchan.hatenablog.com
にお邪魔したときに、何か書けるかなと思ったところがきっかけ。
 最近は立て込みすぎてて、書き出しては何本かが停まってしまっているものがありました。 
 筆者の場合はわりと集中的にやらないとその時のイメージがまた変わってしまい、難しくなるのです。

2 構成
 今回は「たなばたさま」という曲がメイン。
youtu.be
 この曲のシンプルなメロディが、りょうさんのアレンジでまた別の曲のような仕上がりになっています。
 この曲に合わせて、キーとなるのは、
 ・ 平仮名の曲タイトル
 ・ 七夕の願い事
の2つ。
 筆者はこのアレンジをYouTubeでリピートしながら、『最近は願い事なんて書いてもいなかったけど、小さい頃はちゃんと笹飾りを作っていたな』とふと思い、漠然と小さい頃と現在という時間軸の構図が出来上がりました。

 もともと七夕は、織姫と彦星の話。
 設定に若干の違いはあるものの、1年に一度二人が会う、というものです。
 そこのところと、小さい頃、平仮名というところから、幼稚園位の頃の話が湧いてきて、先ほどの時間軸から、恋人ではなく友達との再会と、場面構成設定が進んでいきました。

 そして、次に読み切り短編で仕上げたかったので、以前に書いた
surrealsight.hatenablog.com
を再読し、ラジオというアナログを共通のキーにしてみようかと。
 時間軸や場面構成が縦軸とすると、このラジオという媒体が横軸に。
 縦と横を繋ぐために、その短編で出てきたDJに再登板してもらうことにしました。
 彼女が話の流れの中でBGM 的にトークを差し込み、読み手の方のイメージに奥行きを持たせてみて。
 文章だけの表現でこの違いを出すために『』を使って彼女のトークを差別化し、差し込んでいきます。
 また、

 さて、ここでりょうさんのピアノをどこにセットしていくか。

 そこで、ラジオ番組の終わりにこの曲をセットいたしました。
 思い出と現在が繋がったところに、彩を持たせるために。

 しかしどうしても、再会を一人称で現すと過不足が出てきしっくりいかなくて、DJへの手紙パターンも考えたのですが、う”ーん、となり。
 で、DJの彼女が、彼女の視点でそこを話してみようかと。
 1曲流すところを、トークに代えて、そこに使おうと。

 そうして、固まっていき、いろいろと考えて落ち着いた短冊の願い事が最後にきたものです。
 キーとなっていた、平仮名での短冊にして。


 それで、曲をかけながら読んでいくと、だいたいラスト位まで時間的にいくかな、となり、本文が完成しました。

3 タイトル

 筆者はタイトルを普段の記事でも最後辺りに考えることにしています。何度か読み返して、端的な表現や、インパクトのある言葉を拾って。
 今回は少し遅れてしまった、七夕。
 それと最後に偶然読まれたメッセージ、というところから、『すべりこみ』
 そして、元あじさい組の二人を指すというところから『あじさい』
 これをくっつけて、いつものタイトルの感じにしてみました。

4 終わりに

 こんな感じで出来上がったものが今回のお話。
 本文はほとんどが仕事帰りの電車の中で、出来上がって行きました。
 曲を流して、推敲するときはホームに降りてひっそりとやりました。
 その時間が、けっこう進むんです。キーボード使えないのは面倒なんですけどね。
 
 
 また、別のものを書けたらいいなと。
 ご訪問ありがとうございました。
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>まっこおばさま(id:makkosan70)
ずいぶんと待っていただいてすみません。もうキリンさんより長 くなるかも知れませんよ😆
>テイルズ(id:MyStory)さん
おかえりなさい!何人かこれを楽しみにしてくださるの方の、見えない顔ならぬアイコンを思い浮かべながらのあとがき。もちろんそこには100文字の魔術師のアイコンも入っているのです✨
>相続コンサルタント(id:egaosouzoku)さん
純粋なお願い事をせずに、現実ばかりに向いている今に、何か刺さるものがあるのかも知れません😅
>ユゥヨ部長(id:byte0304)
お忙しいところ、恐れ入ります。全くいつになったら「落ち着いたら」という時期になるんでしょうね。身体壊さないようにお気をつけくださいませ🙇

【読切短編小説】あじさいの、すべりこみ

今回は、筆者久々の読み切り短編小説。
タイトルを見て、おっ!?って思われた方。
そうです、久しぶりに、書きましたよ。
途中で切ると、もやっとするかも知れないので、敢えて切らずに1本のお話としてまとめました。

ブロ友、りょうさん (id:ryousankunchan)
ryousankunchan.hatenablog.com
の記事から生まれた、お話。

では、どうぞ。











 車は、夜の街を進んでいく。
 あたりはすっかり日が落ちて、ヘッドライトが近づいてきては眩しくなり、眩しくなっては右へ消えていくのを繰り返している。
 職場まであと少し。車は出張からの帰りだった。


 スピーカーから時報の後にFMのアップテンポなメロディが流れ出した。
『皆さん、こんばんは!フライデー・ジュークボックス!DJの千春でーす。
 もうみんな晩御飯終わったかな?まだお仕事してる方もいるかな…』
と軽快なトークが流れ、新たな夜の時間が始まりだした。


「先輩、8時、回ってしまいましたね」
「もっと早く帰りたかったけどな、高速大渋滞やったもんな」
「仕方ないっすよね」
 

 二人はそろって大きなため息をついた。

『今日は7月14日。先週の七夕、生憎の天気でしたよねぇ』
 
 ため息とは対照的に、スピーカーから聴こえる声の主は陽気なテンポで話している。

「そういやさ、七夕ってこの前だっけ」
「そう言えば。いつの間にか過ぎてますねぇ。子どもの頃とかはお願いごととかを書いてましたよねぇ。うちの子も笹かざってたかなぁ」
「おいおい、さすがにそこで遠い過去形はアカンやろ」


 そんなことを運転席にいる後輩の橘優樹に返しながら、後藤京助は
「短冊かぁ」
と、つぶやいた。

 
『今日はどんなお願いごとをしたのかリスナーのみんなから教えてもらおうと思いまーす。もし、お願いごとが間に合わなかった人も教えて下さーい。まだ飾っているスタジオの笹に私が追加で書いておくよー』



「先輩、なんかあったんですか。あ、好きな子とどうこう、とかですか」

 ヘラっと笑う橘に、京助は軽蔑の眼差しを向ける。


「そんなもんじゃあ、ない。」
と窓の外を見ながら京助は答えた。


 そんなもんじゃ、ない。
 そんな、軽いもんでもない。

 当時は真剣そのもので、一生懸命に書いたんだよな。










 
 斎木大介とは年少から3年間、同じクラスだった。

 まだ4月の、全然慣れていない年少のさくら組で誕生日会をするために、月ごとにグループ分けがされることになった。
 担任の先生はそこで
「京助君と大介君は1日違いなんやね。」
と言っていたシーンが、妙に京助の記憶に残っている。
 先生がクラスメイトのことを言う″おともだち″とは違う、本当の意味での″ともだち″。
 それがまだ全然わかっていなくて、世界は自分と家族だけだったときに、大介が現れた。
 それから、お互いにしゃべるようになって、一緒に遊ぶようになって、幼稚園に行くのって楽しいなって思いだした。



 年中になると、また慣れないひまわり組で誕生日会の月ごとのグループ分けになった。
 先生が5月のグループのところに来たときに
「先生、オレら1日違いやねん、すごいやろ?」
と大介が得意気に説明していた。
 先生は
「ほんとね、すごいな。なんだか肩組んでほんとに仲良さそう。兄弟みたいやね」
と答えると、京助と大介は
「きょうだい!?」
と言ってお互いの顔を見合わせながら、アハハと笑った。
「ほんまや、オレら”きょうだい”やな」
と京助が言うと、先生も
「そっか、そっか。京助君と大介君だから”きょうだい”か。うんうん、それいいね。」
と、大発見をしたかのように微笑んでいた。


 もともと、お互いが一人っ子だった。
 兄弟がいる人にはわからないだろうが、ちょうどその頃っていうのは、兄弟や姉妹がとてつもなく羨ましい時期。

 だから、たとえ偶然が生み出した”兄弟”でも、その関係性は当時の京助達にはとても大切だった。
 どちらが兄とか弟っていうことは、1日早い京助が兄ってことになったが、だからと言って上下関係なんてものはない。
 何をするにも京助と大介のペアで競い合って、支え合っていて、幼稚園の先生の間でも
ひまわり組のあの″きょうだい″は」
って、ずいぶんと話題に上っていたらしい。
 本当に、何をやるにしても楽しくて仕方がなくて、それを共有できる存在がいるっていうことが嬉しかった。



 年長になった。
 ひまわり組の”きょうだい”はあじさい組のそれになった。
 やはり、慣れないあじさい組で誕生日会のグループ分けがあり、京助は大介と5月グループにいると先生が回ってきた。
 年長は9月生まれがなぜか多くて5月は2人だけ。クラスもだいぶシャッフルされて知らない顔がたくさんいる。
 だからじゃないけど、先生はこちらにまわってきて「あじさい組の”きょうだい”さん。よろしくね、頼りにしてるから」
と言ってきた。それを聞いた二人は顔を合わせて
「任しといて」
と言って、先生とハイタッチした。

 元ひまわり組はかなり少数だけれど、京助は大介が、大介は京助がいれば大丈夫。皆と仲良くなるのは時間の問題で、ほんと実際にすぐに出来るようになった。


 遠足、子ども消防団結成、田植え体験、プール開き。
 楽しい行事はあっという間に過ぎていく。
 京助と大介の住んでいる家は少し離れているけれど、小学校も同じ校区。だから何の心配もないはず、だった。









 でも、あの日。



 先生が七夕飾りを作ろう、と言ったあの日。




 大介は朝から妙に元気がなくて、反応も鈍かった。
 どこか目のまわりも、腫れてるというか赤いというか、そんな感じで。
 七夕のお願いごとも考えよう、となったが全く乗ってこない。京助は自分と大介の短冊をもって
「大介、願い事なんにしよっか」
と聞いてみたが、うつむいている。

 その様子を見ていたのか、先生がやってきた。先生は
「言えた?京助君に」
と大介に聞くと、大介は首を振った。
「じゃあ、頑張って言ってみよっか」
と先生が大介の肩に手を置いて言うと、大介は小さく頷いた。













「え″~~~~~~~~~~~~~」
 京助の声なき声が、教室中に響き渡る。














 青天の霹靂、っていうのはまさにこういうことを言うのだろう。
 夏休みに、大介が引っ越すなんて。

 
 大介が元気なかったのも、目のまわりを赤くしていたのも、全てはそれが原因だったのだ。
 無理もない、逆の立場でもそうなっていたに違いないと思う。

 結局、その日は短冊を書けなかった。
 先生は
「明日でいいよ」
と言ってくれていた。





 家に帰って、京助は鉛筆を握りしめて、広告の裏紙に向かって何度も字の練習をした。
 お母さんにせがんで書いてもらったお手本を見て、平仮名ばかりの字を何度も書いた。

 晩御飯のおかずがから揚げだったので、いつもならすぐにでも食卓に座って箸を持って出来上がるのを待っているのに、この日は一生懸命、字を書いた。
 いつもなら、テレビにかじりついて動こうとしない アニメ番組があるのに、この日は見向きもせず、一生懸命、字を書いた。

 どうしても、最大限の綺麗な字で書きたかった。
 むしろそうじゃないと、絶対に叶わないような気がして。







 次の日。
 まわりの″おともだち″は教室の床にシートを敷いて、グループごとに集まっている。鋏を持っている子、セロテープを貼っている子、笹に飾りを飾りだしている子。
 ワイワイガヤガヤしながら、準備を進めている。

 しかし、二人だけはシンとしていた。
 床にひいたシートの上で、短冊をにらみつけるようにして、肩をいからせていた。 
 そして、青の短冊に京助はありったけの集中で、昨日練習した願い事を書いた。
 大きさは均一じゃないし、踊っている字もある。端から見たら、やっぱり幼稚園児の字だ。でも、京助の中では、精一杯の綺麗な字。
 その隣で並々ならぬ集中で赤の短冊に大介が書いていた。

 
 先生は少し離れた位置から、二人を見ていた。

 ふっと力が抜けて、一人の背中が起き上がる。
 ほどなくして、もう一人もふっと力が抜けて、背中が起き上がってきた。
 先生がそばに寄ってきて
「できた?」
と言って、二人の肩に手を置いた。
 お互いに短冊を見て、少し驚いて、でもヘヘヘっと照れ笑いをする。
「やっぱりな」
と大介が言うと
「おれたちは″きょうだい″だからな」
と京助も、思った言葉を声に出して、ヘヘヘっと照れ笑いした。
 先生は二人を見て
「うんうん」
と言って、微笑んでいた。
 そして、二人をぎゅーっとしてくれて
「飾っておいで」
と言ってくれた。
 京助は大介と笹の上の方に、青と赤の短冊を結んだ。
 それを見て、織姫と彦星が本当に願い事を叶えてくれそうな気がしてならなかった。






『さぁ、今日もこの時間になりました。ラストナンバーは〇○市のあきちゃんママからのリクエスト…』



 助手席ドアに左肘をついて、京助はぼんやりと前を見ながら、遠い記憶を橘に語っていた。

 対向車のヘッドライトが近づいてきては眩しくなり、眩しくなっては右へ消えていくのを繰り返している。
「ちょっと、停まります」
 橘はそう言って、左側にあったコンビニに入って、車を停めた。
「うん?」
「いや、ちょっと…。あ、トイレ行ってきます。」
 そう言って橘は車から降りて、中にかけていき、しばらくして戻ってきた。


『それでは時間の許す限り、メッセージを読んで行きますね』

「すみませんでした。さっきの話、その後どうなるんですか」
「あぁ、その友達が引っ越して、何度か手紙書いてたんだけど。ある時その手紙が返ってきてさ。また、引っ越したみたいなんよな。で、ちょうどうちも引っ越しになって。」
「で、それっきり。きょうだいは事実上解散、かな」


 沈黙の後、橘がそっと冷たいブラックの缶コーヒーを手渡してきた。橘は少し座席を倒しながら
「これで目のところに当てると、ひんやりして気持ちいいんですよ」
と言ってきた。
 それを見た京助は
「おぅ、サンキュー」
と言って、座席を後ろに倒しながら言われたとおりにしてみた。

 目頭の温度が、急速に、冷えていく。

「先輩、キツいっすね」
「ほんまにな」






『あともう一つ読めるかな。
 千春さん、こんばんは。
 こんばんは!
 千春さんがスタジオの笹に書いてくれるって言うので、思い立ってメッセージを送りました。
 ハイハイ、オッケーですよ、何かな。あ、そうそうこの方のラジオネームは…』


「さっ、会社へ帰ろうぜ。運転代わろうか。」
 京助はそう言ったものの、その前に急に起き上がった橘は、こちらに全く反応することなくFMのボリュームを一気に上げた。


…というわけで、30年くらい音信不通で。この話を聴いたときにふと、それを思い出したんです。千春さん、よろしくお願いします。
 わっかりました。ちゃんと短冊に書いておきますよ、番組のホームページにもアップしときますね。元あじさい組の兄弟さん、ありがとう』




 思わず、起き上がって反射的にスピーカーを見てしまった。
 橘は、京助よりも聴き入っていた分、驚きよりも確信的な表情だった。
  









 スタジオに飾られた笹には、赤、青、緑、紫、白、黄色と、たくさんの短冊があった。
 それを横目に、ミキサーからのカウントダウンの合図が入り、流れている曲がしぼられていく。


『今日もラストの時間になりました。7月21日のフライデー・ジュークボックス。今日はこの方のメッセージを。
youtu.be
(ポチッと再生お願いします)

 ラジオネームは、″もう一人の元あじさい組の兄弟″さんから。
 あれっ?て、思うリスナーさんいるかな。鋭いねぇ。先週のラストに滑り込みで読み上げた、″元あじさい組の兄弟″さんと、同じ?えっ?どういうこと?みたいに。
 確か、幼稚園の時の友達とかれこれ30年くらい離れ離れになってさって。え!?と言うことは?
 そうなのよ、みんな、聞いて。
 繋がったのよ!
 30年の時間と、離れ離れになった空間が!
 もうね、私、信じられなくて、ディレクターに最後にこれを話させてってかけあって。じゃないとあたし、グレてやるって。今、本人はガラスの向こうで笑ってるけど。
 でもね、でもね、実際のところ似たような話なだけかも知れないじゃない。それがね、″元あじさい組の兄弟さん″のメッセージは、平仮名で書いてほしいってあってね。
 番組ホームページにアップしていた短冊を見た″もう一人の元あじさい組の兄弟″さんは、それを見て確信したらしくって。

 偶然滑り込みで読み上げたメッセージでしょ。
 それを偶然聴いてくれていた人がいて。
 それで偶然その内容に気付いてくれて。
 偶然番組ホームページに短冊の写真が載って。

 あぁ、もぅ。
 こんな奇跡ってある?
 私、このことに気付いたら、背筋がゾクゾクゾクゾクってしてね、でもその後、もう嬉しくって嬉しくって、涙が出てきちゃった。
 私たちの番組が、織姫と彦星の力を借りて橋渡しできたから。

 織姫さん、彦星さん。ありがとー!
 今頃ね、元あじさい組の兄弟さんは、一杯やってると思うよ。そんなことがメッセージの最後に書いてあったからね。
 元あじさい組のお二人さん、感動の再会のメッセージ、待ってるよ~。

 では、皆さん。今夜も佳い夜を。お相手は千春でした、バイバイ』










 スタジオに飾られた笹には、赤、青、緑、紫、白、黄色と、たくさんの短冊があった。

「とおくにはなれても、きょうだいだよ」

 大きさが不揃いの字は整って、踊っていた字は丁寧なペン字になって、平仮名だけで書かれた青と赤の短冊が結ばれていた。













ご訪問ありがとうございました。
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りょうさんのピアノのおかげです✨この情景がおばさまの頭の中のスクリーンに見えたのはとても嬉しいですね😆
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>テイルズ(id:MyStory)さん
小さい頃と思い出を、七夕にかけ合わせてみました。そこにもうちょっと編み込んだものがあったのですが、それはあとがきにでも書いてみようかなと✨しかしいつも100字にきれいにまとめられますね😲
>Pちゃん(id:hukunekox)さん
そうなんです、りょうさんの曲からなんです。何パターンかラストを描いてみたんですけど、この形になりました。ハニーズも途中になってて。なんとか書くエンジンを回していきます💨