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さて、今回は、パーソナルジムでの出来事の、話。
駅と家を結ぶ途中の公園に、健康器具が設置されてある公園がある。
そこに懸垂の器具があり、仕事帰りにパーソナルジムとして通いだした。
早く帰らないといけないときや、逆にかなり遅くなったときはいけないし、雨が降っても駄目だ。
しかし、その位のレストが入っていけば、ちょうどよい按配で筋肉痛も抜けてくる。
ジャケットを脱いで、ネクタイを外し、軽く体操をして始める。
始めた当初は全然上がらずに愕然としたが、できる範囲でワークアウト。
徐々に、ゆるやかに回数やしんどさが変わってきて、休みの日も買い出しに行く前によって、ワークアウトするようになった。
パーソナルジムには時に先客がいる。
その先客は、筆者のように懸垂をやるわけではなく、腹筋台でスマホを触っていたり、電話をしていたり、遊びで登っていたり、という具合だ。
昨日はそこに、高校生らしき男女がいた。
彼、彼女らは、バイトの話をしている。
女子高生が男子高生を同じバイトをしないかと誘っていた。
聞き耳を立てているわけではないが、ワークアウトしている際に、耳に入ってくる。
彼、彼女らは、
楽して稼ぎたい
そんなんないわー
と、取り留めもない話をしている。
そりゃそうだ
と胸の内で相槌を打つ。
この会話の内容を楽しんでいるのか、同じ時間を共有するのを楽しんでいるのか。
友達以上恋人未満の関係が一番しっくりくるような話だった。
坊主頭のおっさんである筆者は、会話の主である二人に背を向けて、黙々とワークアウトする。
さすがに、そっちに顔を向けてはできない。
毎回少し限界を超えるようにして、ワークアウトが終了した。
ジャケットと鞄を持って、パーソナルジムを後にする。
そして、一人で納得した。
これは、アオハルだな。
いや、アオハルに違いないな。
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